1分間ルールの格闘イベント『BreakingDown』で試合を予定していた「やるべしたら竜」が、対戦相手となる江口響から受けたビンタにより「くも膜下出血」と診断。運営への批判が噴出し、江口は引退を示唆するなど波紋を広げている。
事故が起こったのは、12月14日開催『BreakingDown18』の前日の、公開計量を兼ねた会見でのことだ。ライト級ワンマッチ、キックルール70kg以下で試合予定だった竜が、対戦する江口とのフェイスオフ(対決相手同士が顔を近づけること)時、江口から不意打ちのビンタを受け転倒、床に後頭部を打ちつけた。
その瞬間、会場は歓声が沸いたものの、動かなくなった竜に現場はすぐさま凍りつき、中継映像には複数のスタッフが駆け寄ったうえ、医師を呼ぶ声も入っていた。
そのまま試合は中止になり、15日、竜は自身のXで「くも膜下出血」と診断されたことを発表。16日に改めてXを更新した竜は、症状は安定し、改善に向かっていることを報告したが、江口は17日になりXで、
《今回竜くんがこのような大事になるとは思わず、竜くんを煽ってまた試合を実現させようとしてた自分がいました(中略)ただくも膜下出血が判明してから、自分は間違ったことをしてしまったと思いました》
《竜くんとも話し合って今後の責任は取ろうと思ってます》
《格闘技も勿論辞めますしブレイキングダウンも出ないです》
といったコメントを投稿。格闘からの引退を示唆した。
2021年に格闘家・朝倉未来が立ち上げを発表した『BreakingDown』は、1分1ラウンドルールのアマチュア総合格闘イベント。出場選手はオーディション制で、格闘技経験者はもとより、喧嘩自慢や元ギャング、YouTuberなど個性豊かなメンバーが多数集結し、“喧嘩最強”を決める戦いとなっている。
オーディションの模様は朝倉の公式YouTubeチャンネルで配信され、出場権獲得までの一触即発のストーリーは本編以上に見応えがあるとして爆発的な人気を集め、22年の『BreakingDown5』は関連動画再生回数が1億回超え。23年の『BreakingDown7』は幕張メッセで開催し、過去最大規模の2000人を集客、売り上げも過去最高を記録するなど、巨大コンテンツとしてYouTube界を席巻してきた。
しかし、スターファイターを輩出する一方で、格闘の質や出場者の素行・狼藉が問題視されてきたのも事実だ。