日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!

背の低いミッドシップボディにより法定速度で走ってもスリルを感じさせた

■ターボを装着せずに最高出力は64馬力を発生

 ホンダビートは、軽自動車の本格的な2人乗りのスポーツカーだ。発売は1991年で、開発は主に景気の良かった1980年代の後半に行われた。

 ビートの特徴は、軽自動車ながらもソフトトップのオープンボディで、エンジンを座席の後ろ側に搭載したことだ。1990年に発売されたホンダNSXと同様、ミッドシップ方式を採用する。

 エンジン排気量は660ccで、最高出力は64馬力(8100回転)、最大トルクは6.1kg-m(7000回転)になる。エンジンで注目されたのは、1気筒ごとにスロットルバルブを装着する3連スロットルの採用で、ターボを装着せずに64馬力の最高出力を発生した。

 運転感覚はとても楽しかった。最高出力を8100回転で発生させるから、高回転域まで活発に吹き上がる。全高は1175mmで、現在のマツダロードスターのソフトトップよりも60mm低い。

 峠道を法定速度の範囲内で走っても、スピード感が高く感じられた。低重心で安定性も優れている。グレードは1種類で、1991年当時の新車価格は138万8000円だ。若年層も運転の
楽しさを気軽に満喫できた。

ビートの車内、3連タイプのメーター
3連タイプのメーター

 メーターは3連タイプで、中央にエンジン回転計、その右側に速度計、左側には水温計や燃料計がコンパクトに収められている。

ビートの車内、シートの写真
ユニークな内装

 シートはバケット風のデザインで、生地はジャージを主に使っている。シートの柄はシマウマ状で、内装をユニークに仕上げた。

ビートのトランク
小さなトランク

 エンジンは座席の後部に搭載するが、最後部にも小さなトランクがある。バッテリーも後部に収まり前後の重量配分は43:57であった。

 ビートは販売を終えて30年近くを経過するが、人気車とあって中古車の流通台数は意外に多い。ただし走行距離の短い上質な車両は300万円に達する。150〜200万円が多い。