日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
エンジンをボディの中央に搭載する軽自動車サイズの純粋なミッドシップスポーツ
■真上に向かって開くガルウイングドアを備える個性派
1990年前後に発売された日本車には、バブル景気に乗り、多額の開発費用を投入して造られた車種が多い。マツダオートザムAZ-1もそのひとつで、軽自動車のミッドシップスポーツカーだ。
発売は1992年だから、旧規格の軽自動車になる。全長は3295mm、全幅は1395mmで、今の軽自動車よりも小さい。全高は1150mmと極端に低く、現在のトヨタGR86を160mm下回った。重心も低く、ゴーカートのようなダイレクト感を伴う運転感覚が特徴だった。
2人乗りのシートの後部には、スズキから供給を受ける直列3気筒657ccのターボエンジンが搭載されていた。当時は安全装備が乏しく、車両重量も720kgと軽いから、動力性能は十分だ。
ドアの開閉方法がユニークで、真上に開くガルウイングドアを採用した。サイドウインドーとドアを兼用しているから、通常の開閉はできない。ETCのない時代だから、サイドウインドーの一部だけを開いて、通行料金を支払えるように配慮した。これを「チケットウインドー」と呼ぶ。さまざまなデザインや機能が新鮮なクルマであった。
ドアが真上に開くガルウイングドアが特徴だ。シートに座ると、頭上がガラスになるため、周囲が良く見える代わりに少し怖くも感じた。
全高が1150mmと低いミッドシップスポーツだから、軽自動車なのに、外観はイタリア製のスーパーカーのように見える。これも人気の秘訣だ。
マツダスピード製のエアロパーツやアルミホイールなどを標準装着したマツダスピードバージョンも用意されていた。
販売を終了してから30年を経過するが、軽自動車のミッドシップスポーツという個性によって中古車価格は高い。新車価格は149万8000円だったが、今の中古車価格は200〜250万円に達する。