■歌舞伎俳優は「懲りない」泥酔トラブル頻発の理由を専門家が解説

 歌舞伎俳優・市川中車こと俳優・香川照之(60)も酒の席でのトラブルが報じられ、多くの仕事を失うことになった。

 2022年8月、『週刊新潮』(新潮社)で、銀座のクラブでホステスに対しセクハラや暴行を与え、被害を受けたホステスがPTSDを発症したと報じられた。

 この報道を受け、所属事務所は謝罪コメントを発表。香川本人は当時レギュラー出演していた『THE TIME,』(TBS系)の22年8月26日放送回に生出演して謝罪。その後、同番組や出演していた広告や出演予定だったドラマなどを降板することになった。

「地上波ドラマやバラエティ番組に引っ張りだこだった香川さんですが、報道以降は歌舞伎の興行がメインとなりました。今回逮捕された鶴松さんは、勘三郎さんに見出され、兄弟子の勘九郎さんも認めていましたし、勘九郎さんも七之助さんも本当の兄弟のように鶴松さんに接していたようです。

 1月13日、『猿若祭二月大歌舞伎』の取材会でも勘九郎さんは“鶴松が初代舞鶴の名前を襲名させていただくのも嬉しい”と話し、“そうそうたるメンバーの中でご披露ができるというのも彼にとってもとても励みになると思います”と激励していましたからね。それだけに今回の事件は残念でなりませんよね」(前出のワイドショー関係者)

 酒が原因でのトラブルが歌舞伎界で頻発する理由について、芸能評論家の三杉武氏はこう解説する。

「歌舞伎俳優には酒好きが多いですし、酒席も多い。スポンサーやタニマチと飲んだり、仲間ともよく飲みますからね。昔から歌舞伎俳優といえば、“女遊びは芸の肥やし”の文化ですし、女性関係とお酒関連で派手にするのも粋や色気につながるといった伝統もいまだにあるんです。酒が強いことも歌舞伎俳優としての武器の1つになるわけです。

 歌舞伎俳優は中村屋などの一門に属してはいますが、“個人商店的”でもあり、周りに制止してくれる人も多くはない。空気を読むこと自体があまりありませんし、それで行き過ぎてしまうのではないでしょうか。そもそもが浮世離れした業界ですし、酒の飲み方も浮世離れしていて羽目を外しやすいんでしょう。

 鶴松さんは店のトイレを無断で使用して注意されて暴れたといいますが、“トイレ借ります”と一言伝えればいいだけなのに、それもしない感覚も浮世離れしていますよね」(以下、三杉氏)

 不倫や逮捕などのトラブルがたびたび露見する歌舞伎界を厳しい目で見る人は少なくない。

「歌舞伎界も令和の基準にアップデートしなくてはいけないのでしょうが、できていない人もいますよね。團十郎さんなどはSNSに力を入れたりもしていますが。“時代に合わせていこう”という風潮はあるのかもしれませんが、酒や女性関連では“相変わらずな人”もいますよね。

 タレントなら鶴松さんのような事件を起こしたら一発アウトですが、歌舞伎界には“戻ってくる場所”があり、だから彼らは懲りないという背景もあるはずです。世間から“甘い”と言われてもしょうがないですよね。

 師匠の勘三郎さんは酒の場が好きで女性関係も派手でしたが、当時はそれが魅力とも受け取られました。一方で息子の勘九郎さんは真面目な人。実の弟のように可愛がっていた鶴松さんの事件を非常に残念に思っているのではないでしょうか。一般家庭出身で認められていたのにもったいないですよね……」

 中村鶴松は19日午後7時すぎ、警視庁蔵前警察署から釈放され、謝罪の言葉を残して迎えの車に乗り込んだ。歌舞伎のホープの今後は、果たして――。

三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。