■“『相棒』超え”で民放全ドラマ2位の高視聴率を記録

『おコメの女』の第3話(1月22日)の視聴率は、世帯9.7%(関東地方/ビデオリサーチ調べ)、個人5.5%。その前日に放送された『相棒 season24』の第13話(21日)の視聴率は世帯8.8%、個人5.1%だった。

 また、現在放送中の民放ドラマで最も高視聴率なのは鈴木亮平(42)主演のTBS系日曜劇場『リブート』(夜9時~)だが、『おコメの女』の世帯・個人視聴率はそれに次ぐ数字だという。

「現在、テレビ界ではコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)が重視されていますが、テレ朝はあえてコア視聴率で勝負せず、少し上の層を狙った番組作り、ドラマ作りをしているとも言われていますね。そして、『おコメの女』もそれで成功していると。

 このところテレ朝では、女性が主人公の人気シリーズの終了が続いてきただけに、『おコメの女』が高視聴率を残している現状は、“光明”と言えそうです」(前出の制作会社関係者)

 テレ朝の女性が主人公のシリーズ――まず「木曜劇場」枠では、米倉主演の『ドクターX』が24年末公開の劇場版、天海主演の『緊急取調室』が25年末公開の劇場版で完結。

 後期は「水曜9時」枠で放送していた沢口靖子(60)主演の『科捜研の女』(1999年10月期~)は、今年1月23日放送のテレビスペシャルで完結。これにより、テレ朝では人気女優が主演のシリーズが、短期間で3作終了したことになる。

 しかも、『ドクターX』主演の米倉を巡っては、知人でアルゼンチン国籍の男性とともに違法薬物に関与している疑いが浮上したことから、“マトリ”こと関東信越厚生局麻薬取締部が25年夏に2人の関係先の家宅捜索を実施。そして今年1月20日、麻薬取締法違反などの疑いで書類送検されたことが報じられたばかりでもある。

「テレ朝としては、視聴率20%超えも珍しくなかった『ドクターX』シリーズが終わった後も、米倉さんが主演するドラマを作りたかったと見られていますね。しかし、米倉さんはこうした状況に……。

 米倉さんは不起訴になる可能性が高いと言われていますが、それでも、“CMスポンサーが絶対”である地上波テレビには一旦出られなくなるのは濃厚でしょうし、イメージの低下により、『ドクターX』のような“勧善懲悪モノの主人公”はやりづらくなるでしょう。この状況で、米倉さんの新たなドラマ作品を作るのは極めて困難ですよね……」(芸能プロ関係者)

 そんななか、松嶋は“ポスト米倉”の筆頭候補として三顧の礼でテレ朝に迎え入れられたとも一部では報じられている。ちなみに、松嶋がテレ朝の連続ドラマで主演を張るのは今回が初めて。

「松嶋さんは長身でスタイルが良く、非常に画面映えする俳優ですよね。最近の作品では、今田美桜さん(28)主演のNHK連続テレビ小説あんぱん』(25年前期)で、“したたかで悪女寄りだけど、しっかり愛情もある準主人公の母親”として終盤まで活躍。あまりにも美しい着物姿も話題となりました」(前同)

 松嶋は『おコメの女』でも、コートをはためかせて堂々と通路を歩くシーン、行きつけの居酒屋で「ああ~! 美味しいっ!」と日本酒を堪能するシーン、脱税者の屁理屈に毅然として反論するシーンなど、“強くてカッコいい女性主人公”という王道を往く演出が多く、いずれも好評だ。

 そんな『おコメの女』、そして主演の松嶋の魅力をドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。

「勧善懲悪で1話完結という分かりやすさ、見やすさ。そして、日本テレビやフジテレビドラマの印象が強かった松嶋菜々子さんが、テレビ朝日のドラマの雰囲気にも無理なくハマることができたのが、本作の好調の理由でしょう。

 さらに、『ドクターⅩ』や『緊急取調室』などのヒット作を輩出している、木曜ドラマという人気枠の力もあります。テレ朝系ドラマはリアタイ視聴が強い印象があるが、本作は配信でも強く(※1月20日時点で見逃し配信の総再生数が496万回を突破)、“常連ファン”が新しい視聴方法に慣れてきたのかもしれません」

 松嶋が大きな存在感を見せつける『おコメの女』は、『ドクターX』『緊急取調室』終了後のテレ朝ドラマの“顔”になっていきそうだ――。

ドラマライター・ヤマカワ
 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。