日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
直列5気筒の2Lエンジンは実用回転域の駆動力が高くVWらしく直進安定性も良好
■日産の工場が生産するフォルクスワーゲンだから走りが優れ価格は割安
1984年に発売されたVW(フォルクスワーゲン)サンタナは、日本では珍しい海外メーカーのノックダウン生産車だ。
開発したのはVWだが、生産は日産が受け持った。日産とVWが業務提携を結び、エンジン、サスペンション、トランスミッションなどはVWが日産へ供給する。そして日産の座間工場で生産を行った。ボディサイズは、全長が4545mm、全幅は1690mm、全高は1395mmで、運転しやすい5ナンバー車であった。
エンジンは直列4気筒1.8L、変則的な直列5気筒2L、直列4気筒1.6Lディーゼルターボを用意した。直列5気筒2Lは、6気筒エンジンの滑らかさと、4気筒のコンパクトなサイズの両立を図っている。
この2Lエンジンの動力性能は、最高出力が110馬力、最大トルクは15.5kg-mと控え目だが、実用回転域の駆動力が高く運転しやすかった。
またVWとあって高速道路における直進安定性も優れている。価格は最上級のXi5でも243万9000円だから、輸入されるVWゴルフGLiよりも安価だ。日産の販売店で買える買い得なVWとして注目された。
インパネは水平基調の機能的な形状だ。方向指示機のレバーは輸入車と同じく左側に装着される。各部のスイッチは操作感が少し硬い。
シートは当時の日本車とは造りが大きく異なる。腰から大腿部をしっかりと支えるため、着座姿勢が乱れにくく、長距離移動も快適だ。
ウインドーの下端を低く抑えているので、前後左右ともに視界が優れている。バックモニターがなくても安心して車庫入れを行えた。
日産によるサンタナのノックダウン生産は、1990年に終了した。つまりサンタナは、35年以上も前のクルマで、希少性が高まるスポーツカーでもない。従って中古車市場にはほとんど流通していない。また購入してもパーツの入手が困難なことも考えられる。