日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!

峠道で味わえる軽快な運転感覚が「かッとび」の愛称で親しまれた

■最高出力が105馬力のターボエンジン車も追加された

 トヨタスターレットは、現在のヤリスの前身になるコンパクトカーだ。

 特に1984年に発売された3代目は人気が高かった。全長が3700mm、全幅が1590mmのコンパクトなボディに、直列4気筒1.3Lエンジンを搭載する。

 EFI(電子制御式の燃料噴射装置)を備えた仕様は、最高出力が当時の計測方法で93馬力、最大トルクは11.3kg-mになる。車両重量は最上級のSiリミテッドでも740kg(5速MT)と軽かったから、峠道では小さなボディを生かして機敏な運転感覚を味わえた。

 CMでは「かッとび」のキャッチコピーが使われて話題性を高めた。

 3代目スターレットで印象に残るのは、エンジンの機敏な吹き上がりだ。

 1気筒に吸気バルブが2個、排気バルブは1個が装着され、吸気能力を高めた。EFI装着車は最高出力を6200回転で発生させたが、7000回転近くまで滑らかに回った。

 1986年には1.3Lエンジンにターボを装着した仕様も投入している。ターボには街中を走るときに使うローモードと峠道などに適したハイモードがあり、後者では最高出力が105馬力に高まり、ターボならではの走りを満喫できた。

デザインや質感に古さを感じさせない車内
デザインや質感に古さを感じさせない車内

 3代目スターレットの発売は40年以上も前だが、デザインや質感にあまり古さを感じない。エアコンは温度設定が可能なオートタイプだ。

個性的なシート
個性的なシート

 個性的なシート表皮も用意されていた。快適装備を充実させたSEの運転席には、着座位置を上下させるシートリフターも装着されていた。

黄色のスターレット
狭い駐車場でも運転しやすいコンパクトなサイズ感

 全幅が1590mmに収まり、最小回転半径も4.3〜4.5mで視界も優れている。狭い駐車場でも運転しやすく、今のバックモニターは不要だった。

 3代目スターレットの販売期間は、1984年から1989年だ。希少性の高いスポーツカーではないため、中古車はほとんど流通していない。稀に中古車市場に出品されると、安くても100万円前後、ターボになると200万円を超えることも。