■空振り感のある『ふてほど』路線

 今回も回想・妄想シーンは、3人の中二病をこじらせた勘違いでコミカルな展開なのに、雄太(反町)が会社と家族の板挟みで苦悩するパートが急に始まるなど、全体にチグハグ感が目立つ。また、過去の回想シーンが多く、物語がなかなか進まないことも、低視聴率の原因だろう。回想シーンでの3人の中学時代の子役たちが、好演しているのはいいのだが……。

 たびたび出てくる80年代ネタは、『不適切にもほどがある!(ふてほど)』(TBS系)を意識しているのだろうが、軽く触れるだけなので『ふてほど』の下位互換感が強い。さらに今回の、人生の“勝ち組”世代と“負け組”世代の対立のように、社会問題へのメッセージを入れ込んでくるところも、『ふてほど』を意識したのだろうと思ってしまう。ヒット作に続きたい気持ちはわかるが、それらの分量が多いのも、なかなか話が進まない原因のひとつだろう。

 反町、大森(肇)、津田(紀介)の掛け合いのテンポは良く、呼吸もあっていて見ていて楽しい。さらに、喫茶店アルバイト・白馬役の福本莉子(25)や、警察官・鶴見役の濱尾ノリタカ(26)など、若手俳優を軽快に巻き込み、さすがメイン級の俳優といったところなのだが、その楽しさもこのダラダラ具合では帳消しだ。

 2月18日放送の第6話は、肇(大森)が中学時代の映像の中に、「ランボー」と呼んでいた怪しげな人物を発見したことで、マチルダ(木竜)失踪事件の秘密に迫りそうだ。物語は折り返し点を迎えているが、ここまで付いて来てくれている視聴者は、視聴率の数字の下げ具合を見るに、残念ながら少なそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。