■一香・戸田恵梨香は嘘をついている

 一香(戸田)が消えた10億円と夏海(山口)の死について種明かしをしたが、おそらくミスリードだろう。儀堂(鈴木)が自供したとき一香は驚いた顔をしていたので、コンテナの中での打ち合わせと違う行動を儀堂がしたのは間違いない。コンテナから出たときも儀堂より先に話そうとしていたし、儀堂が先に話し始めたときも驚いていた。一香は、自分が奪ったと告白しようとしたのかもしれない。

 以前、一香が早瀬(松山)に「あなたのことは私が守る」と言ったことも引っかかる。早瀬を利用する以上の感情が感じられるのだ。また今回、夏海に泣きついて10億円を盗ませたと明かしたとき、最初は妹を救うためだったが、そのうち金に目がくらんで組織の金庫番である夏海の地位が欲しくなったと言ったが、金で闇落ちというのはドラマ的に安直すぎる。まだまだ嘘をついているのだろう。

 以前より、一香は夏海のリブート説があるが、それが本当なら、倉庫で絶体絶命になった早瀬を生かすため、自分が犠牲になろうとしたのもわかる。夏海は一香の妹のために10億を盗んだが、組織に疑われたので一香にリブートしたのではないだろうか? そうであれば、一香が自分が撃たれる夢を見たこともつながる。夢は一香を撃った夏海目線だったということだろう。あるいは撃ったのは別の誰かか?

 今後は儀堂にリブートした早瀬と、一香にリブートした夏海、夫婦2人が協力して、組織と大物政治家を葬るために動くはず。そして、それを成し遂げた後、一香はすべてを告白し、夫婦でハヤセ洋菓子店に戻るのではないだろうか。リブートは顔を変える意味で使われているが、再起動が本来の意味。ハヤセ洋菓子店と早瀬夫婦の再起動が、最終的なオチなのかもしれない。

 ただ、顔の変わった父と母を息子・拓海(矢崎滉/11)が受け入れるかどうかは、ちょっと微妙だ。もしそうであれば、一瞬しか出なかった名バイプレイヤー野呂佳代(42)演じる形成外科医・桑原瞳が、顔を戻すために2人を再手術する可能性もある。とにかく謎はまだまだ多い。今後の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。