前澤友作氏やホリエモンを“悪用”するケースも

 また、ここ数年で急増しているのが“ニセ社長詐欺”だという。

 ITジャーナリストの三上洋氏が説明する。

「ニセ社長詐欺とは、社長に成りすまして社員に命令を下し、指定した口座に送金させて金銭をだまし取る手口です。直近の年末年始だけで、確認されている被害額は約5億円。都内では5件発生し、1億4000万円の被害が出ています」

 耳を疑うような巨額事件も起きている。

「2月4日、埼玉県の会社で、社長をかたる人物に2億1900万円をだまし取られる事件が発覚しました。ニセの社長はチャットで担当者に、“これから送る口座にお金を振り込んでほしい”などと指示。送信元のアカウントが本物の社長と見分けがつかないほど巧妙に偽装されており、担当者は疑う余地もなかったそうです」(前出の社会部記者)

 他方で、フェイスブックやインスタグラムなど、SNSを悪用した詐欺も後を絶たないという。

「SNSを通じて知り合った異性から暗号資産やFXなどの投資系アプリを勧められる“ロマンス詐欺”が報告されています。

 紹介されるアプリはもちろんニセモノ。入金すると、画面上では資金が運用されて増えているように表示されますが、実際は、ただ、お金を抜き取られているだけです」(前出の三上氏)

 著名人をかたるSNS広告を入り口にするケースも、後を絶たない。

「実業家の前澤友作さんや堀江貴文さんに成りすまし、“投資の秘訣を教えます”といったニセ広告を出して、そこに応募した人を勧誘する手口です。多くはLINEグループに誘導され、その中にいる参加者は全員サクラ。資産が何倍になったと成功例を見せて入金を急がせます」(前出の詐欺や悪質情報に詳しいジャーナリストの多田文明氏)

 多田氏は、こうしたLINEグループに潜入取材したことがあるという。そのときに展開された驚きの手口とは…。

【後編】高市早苗総理の名まで悪用する驚愕の手口も…特殊詐欺に「引っかからない人」になる裏知識を専門家が伝授では「詐欺電話を見破るコツ」や、実際に電話がかかってきた際の対処法などを、元警察官などが実体験を交えてアドバイスする。

《【後編】はこちらから》

多田文明(ただ・ふみあき)
20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通したジャーナリスト。「誘われたらついていく」潜入取材を担当し、雑誌で連載。『ついていったらこうなった』(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。以降も多数のテレビ番組に出演し、最新の詐欺の手口などを解説している。また、旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題点を早くから指摘。あらゆる騙しの手口に警鐘を鳴らし、被害防止のための講演や講座も行っている。

三上洋(みかみ・よう)
東京都世田谷区出身、1965年生まれ。都立戸山高校、東洋大学社会学部卒業。テレビ番組制作会社を経て、95年からフリーライター・ITジャーナリストとして活動。文教大学情報学部非常勤講師。専門ジャンルは、セキュリティ、ネット事件、スマートフォン、Ustreamなどのネット動画、携帯料金・クレジットカードポイント。