■真北・伊藤英明が裏で糸を引いている?

 一方、一香(戸田)は、定期的に美容整形外科に行っていること、ときおりハヤセ洋菓子店を手伝いにいっていたこと。さらに、夏海(山口)が設立に関わったNPO法人“しぇるたー”のマチ(上野)が、廃墟で見張りの男たちに刺殺されると、盗んだ車で逃走しながら、悲しそうな表情で「ごめんね、マチちゃん」とつぶやいたことから、夏海がリブートしているのはほぼ確定だと思われる。

 わからないのが真北監察官(伊藤)だ。ターゲットである合六(北村)と会っていたり、早瀬(松山)に急接近したりと、不自然な描写が多すぎる。そもそも兄と合六を潰すのが真北監察官の目的。今回、二人の癒着の証拠として、合六が弥一に献金するところを押さえろと早瀬に依頼していた。合六の持つ金に執着しているように見えるが、夏海が横領したとされる10億円も、一香が奪ったとされる100億円も、実は真北が絡んでいる?

 騙し騙されが続きすぎて感覚が麻痺しているが、夏海が合六のマネーロンダリングに手を貸す悪徳会計士だったとは思えない。そもそも登場シーンが少なすぎて、人物像がわからないというのはあるのだが、10億円の横領は一香の泣き落としのせいではなく、合六と兄を潰すのを狙った真北監察官が夏海を脅迫してやらせ、それを証拠に揺さぶりをかけようとしていたのかもしれない。

 しかし10億円は取り返されたため、真北は夏海がリブートした一香に、今度は100億円を奪わせる。すべては組織と兄を潰すためだが、真北がそこまで兄と組織にこだわるのは、過去に妻が起こした交通事故が関係しているのかもしれない。裏で糸を引いているのは真北なのか? そもそも、伊藤英明が演じるキャラは、これまでのパターンからいって、なにひとつ信じられないというのもある。

 真北と一香の正体と狙いはなにか? 次回予告には、「妻殺害事件の真実」というテロップのあと、合六に泣きながら「止めてください」とすがっている夏海、「100億を盗んだ犯人として死にます」と電話で告げる一香の姿があるが、一体なにが起こるのだろう? クライマックスに向けた今後の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。