■生活費も投げ銭に投入するファンも

 ネット上では、「手取り20万円なのに、今月だけで15万円も投げてしまった」「イベント最終日の競り合いで10万円単位のギフトを連打するのが当たり前になり、貯金が底をついた」「友達が配信者にハマりすぎて消費者金融に数件手を出している。止めても“これは投資だ”と言い張って聞かない」といった声も…。これらに共通するのは、配信が持つ「1対1で接しているような錯覚」が冷静な判断力を奪い、中毒性を生んでいる点です。

「昨今のライブ配信市場は、公営ギャンブル以上に20代、30代の現役世代を浸食しやすい構造です。背景には孤独感の解消と、金銭で買える疑似恋愛的な優越感があります。配信サービスの多くは、投げ銭額がランキング化されたり、高額ギフトが目立つように表示されたりと、承認欲求を過剰に満たす仕組みになっており、これが依存を引き起こします。プラットフォーム側は、現金をアイテムに変換して金銭感覚を麻痺させる“ホワイトニング”を行っていますが、現実に引き戻せば、生活費や会社の金を使い込むといった極めて危うい事態を招いているのです」(生活情報サイト編集者)

 一部報道では、30代男性が1年間で500万円以上を投じ、自身の給与では賄いきれずに親の金を盗む事態にまで発展したケースもあるそう。画面越しの快楽と引き換えに人生を差し出す代償はあまりに大きすぎます。一時の承認欲求に支配され、破滅の道へ足を踏み入れる前に、まずは「現実の日常」を冷静に見つめ直すことが必要ではないでしょうか。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。