■裏主役だった万季子・井上真央

 現在の事件の真相が明らかになったが、それよりも今回のピークは、警察まで4人で歩いて来たシーンと、万季子(井上)が南良(江口)に拳銃を差し出したところだろう。思わせぶりな態度があったりで、視聴者から嫌われ気味だった万季子だが、すべては仲間を守るためということが明らかになり、視聴者を驚かせた。見るものを欺くほどの演技、さらに23年前の事件と4人をつなぐキーマンだった万季子は、裏の主役だったと言えるだろう。

 残るは23年前の銀行強盗事件の真相だが、強盗犯・大島を撃ったのは淳一(竹内)ではなく、おそらく小杉署長(段田安則/69)だろう。以前から小杉署長が怪しいと疑う声は多く、最後のヤマ場のはずなのに、この件はネタバレ気味というか、正直、盛り上がっていない。本作は全体にミステリー部分のバランスが悪いのだが、これは2度目のドラマ化ということを考え、4人の関係、ヒューマン部分を厚くしたためだろう。 

 万季子が警察に拳銃を持ってきたのは、淳一が強盗犯を撃っていないことを、南良に証明してもらうためなのだとしたら、万季子は23年前の事件の真相もわかっているかも? そうなると、その事件のキーマンも万季子になりそうで、裏主役らしく、一気に物語の中心に躍り出た感じだ。

 次回、最終回は、万季子から拳銃を託された南良は、執念の捜査の末、ついに“真犯人だと思われる人物”のもとへ向かうらしい。はたして、原作や2012年に放送された前回のドラマ化と違ったラストになるのか? 最終回で明らかになる真実に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。