日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。3月21日の若葉ステークスではキッコベッロに、22日の阪神大賞典ではアドマイヤテラに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年3月16日に寄稿されたものです)
桜の蕾がほころび、早いところでは開花宣言も予想される今週末、3月21、22日は、2日間とも阪神競馬に参戦。21日のメインレース、若葉ステークス(芝2000メートル)では、友道康夫厩舎のキッコベッロと初コンビを組むことになりました。
関西圏で行われる唯一の皐月賞トライアルであるこのレースで、真っ先に思い出すのは、父がディープインパクト、母がフランス1000ギニーの勝利経験もあるイルーシヴウェーヴという超良血馬、アドマイヤビルゴの走りです。
3番手で流れに乗り、直線で僕のGOサインに鋭く反応。ぐんぐんと加速し、最後は後続を2馬身突き放して余裕でゴール板に飛び込んでくれました。
その後、大きな勲章を手にすることはできませんでしたが、あのときの走りは、間違いなく本物でした。
ここまで4戦1勝のキッコベッロにとって、このレースが、大きな分岐点となります。優先出走権(2着まで)を目指して、彼のいいところを引き出せるような騎乗をしたいと思います。
22日は、キッコベッロと同じ友道厩舎で、アドマイヤビルゴと同じ近藤旬子オーナーのアドマイヤテラと、阪神大賞典に挑みます。
彼とコンビを組むのはこれが4度目。最初は2024年の菊花賞で3着。続く、オープン大阪-ハンブルグC、GII目黒記念を連勝したように、相性のいいパートナーです。
阪神大賞典は、これまで、メジロマックイーンで2度(91年、92年)、ナリタブライアン(96年)、スペシャルウィーク(99年)、ダイタクバートラム(03年)、リンカーン(04年)、ディープインパクト(06年)、アイポッパー(07年)と8度制覇しているレースです。