■日本の企業5社で世界シェアの90%

「水深6000メートルの水圧に耐え、船に搭載できるくらい細くて長い金属管を作れるのは、高度な製鉄技術を持つ日本だけ。他の国にはできません。

 今後、海底に眠る油田の開発も期待されているので、今回の採掘技術が確立されれば、日本が世界有数の海洋資源大国になる可能性があります」

 電子機器の中核部品といえば半導体も忘れてはいけない。近年、米・中・台の3者が覇権を争っていて、日本は蚊帳の外のように思えるのだが、

「その米・中・台が頼りにしているのが日本の半導体製造技術。半導体製造では、写真撮影のように超高解像度で回路をシリコン上に焼き付けます。

 その技術を持つのが『ニコン』や『キヤノン』といった老舗企業です。日本の技術なくして、成り立ちません」(前同)

 そもそも材料においても、日本企業が存在感を示しているという。

「半導体には欠かせない材料“フォトレジスト”は、『富士フイルム』など、日本企業5社で世界シェア90%。また、『味の素』が開発した “ビルドアップフィルム”も、今や、半導体製造には欠かせない。日本の強みは目立たない技術にあります」(前出の浜田氏)

 日本のお家芸であるカメラに関しては、前述の半導体製造で証明されたように世界トップを独走中。

「特に、レンズがすごいんです。例えば、人工衛星の地上撮影用カメラや潜水艦のレンズは日本製が使われています。精度もケタ違いで、そのレンズの仕上げはなんと職人の手磨き。

手の感覚だけで分子単位の乱れを直す、こうした職人技が、日本をカメラ大国に押し上げました」(前出の川口氏)

 日本経済を支える知られざる技術の数々――。再び「メイド・イン・ジャパン」が世界市場を席捲する日も近い。

【中編】フジクラが開発「次世代のクリーンエネルギー」「国産AIで自動運転」世界が羨む「ニッポンのすごい技術」では、日本の製造業をリードする自動車業界で起きている変化や、次世代のエネルギーとして注目を集める“核融合電力”の存在を詳報する。