日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。3月29日GI高松宮記念ではジューンブレアに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年3月23日に寄稿されたものです)
ハッピーバースデートゥユー♪
中学を卒業する頃までは、プレゼントをもらえ、ケーキにローソクを立て家族に祝ってもらえる誕生日が嬉しくて、1週間くらい前からソワソワしていました。
競馬学校では同期に、騎手になってからはファンの方から、“おめでとう!”という言葉をかけていただき、その言葉が励みにもなってきました。
嬉しいと同時に、ちょっと照れ臭さを感じるようになったのは、40歳を過ぎた頃でしょうか(笑)。
それでも、50歳を超え、今年57歳になる今でも、やっぱり誕生日は嬉しいものです。
これまで、3月15日にJRAで競馬が開催されたのは11回で、重賞レースに騎乗したのは8回。メジロマックイーン(1992年・阪神大賞典)、シーキンザパール(97年・フラワーC)、サイレンススズカ(98年・中山記念)、ダノンゴーゴー(08年・ファルコンS)と4度の勝利を挙げています。
今年は、10R昇竜SのスマートジュリアスでバースデーVを飾り、続くメインレースはGII金鯱賞です。
新パートナーのジューンテイクは、3月に調教師になった藤岡佑介騎手のお手馬で、父父ディープインパクト、父キズナという僕にとっては、忘れることのできない名馬の血統です。
しかもです。“伝説の大種牡馬”ノーザンテーストも3月15日生まれで、ジューンテイクは母系に、このノーザンテーストの血が色濃く反映されています。
2枠2番からスタートしたレースは、前半、力みっぱなし。直線で一度は先頭に立ちましたが、そこから、もうひと踏ん張りの余力は残っていませんでした。
結果は、0秒1差の4着。惜しいレースでしたが、久々にヨシトミさん(柴田善臣)、ノリさん(横山典弘)と同じレースで競い合えたことで、大きな刺激を受けた誕生日になりました。