■嵐の強みは全世代にアプローチできること

 嵐が所属していた旧ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題。事務所が会見でジャニー氏の加害行為を認めた2023年9月以降、所属タレントの“CM降板ドミノ”が勃発したり、各局が同社所属のタレントから距離を置くように。嵐では二宮がいち早く退所したが、これも放送が直前に控えていた主演連続ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系/23年10月期)への影響を考慮しての決断だと報じられた。

「騒動から2年半の時が経ち、現在は多くの旧ジャニーズタレントが活躍できていますが、そのなかで最も力があって、しかも現役で活動しているテレビタレントは嵐ということです。彼らは旬な存在でもありますよね」(鎮目氏、以下同)

 嵐は今年5月末でグループ活動終了が決まっているが、「やはり活動を終了することが大きな話題となり、彼らへの注目度が高まりましたよね」と、鎮目氏は指摘する。

 確かに、嵐が活動終了すると発表した昨年5月以降、テレビ各局が定例会見で“一緒に何かやれたら”という旨のコメントを出していた。実現はしなかったが、昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』への出場を打診されていたことも明らかとなっている。

「そうした需要に加えて、グループ活動が終了するからには、その後はそれぞれ個別に頑張っていかなければいけないですよね。彼らとしても個人としての“色”というか、キャラクターをしっかり印象づけたいところもあるのではないでしょうか。そしてマネジメントサイドも、嵐メンバーを出し惜しみせず、いろいろな局からのオファーに応じて、売り込んでいきたいという事情もあると思います」

 嵐では、二宮と松本は個人としては独立。メンバーで特にバラエティ番組の出演が多い相葉と櫻井はSTARTO社と契約中だ。大野は嵐の活動終了と同日、5月末でSTARTO社から退所することが発表されている。

「局側もマネジメント側も、どちらも嵐のメンバーにいろいろな番組に出てもらいたいと。出過ぎ感も出てくるかもしれませんが、トップテレビタレントの地位を固めたい思いもあるのかもしれません。

 そして嵐のメンバーは、老若男女問わず、幅広い世代にアプローチできる“国民的タレント”。若い世代でも、“嵐が出てるなら”と見る人は少なくないでしょう」

 STARTO社で言えば、Snow ManSixTONESなど、若い世代対象なら嵐に劣らない人気のグループもいる。テレビ離れが進む現代でも彼ら目当てで見てくれるファンが多い気もするが――、

「現在のテレビ視聴者は高齢者が中心とも言われていますが、嵐のメンバーはバラエティ番組だけでなくドラマでも活躍しているし、彼らの歌も知っている人が多い。シニア層にもすごく親しみやすい存在なんですよね。

 テレビ局側としては、もちろん若い人にも見てもらいたいですが、かといってシニア層が離れてしまうのも困る。その意味で、若い世代にも上の世代にも――老若男女問わず親しまれている嵐の立ち位置はとても貴重で、唯一無二だと思いますね」

 国民的グループ・嵐。グループの活動終了後も、メンバーは国民的な存在であり続けるようだ。

鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)