■『リブート』の回収されていないエピソード

 真北(伊藤)は合六(北村)側の人間で、早瀬(鈴木)を逃がそうとした冬橋(永瀬)も、霧矢(藤澤涼架/32)と菊池(塚地武雅/54)に詰められ、逃げ場なしで終わった今回。しかし、鈴木がXで3月22日に《ミスター冬橋は、なかなか驚きの最後を迎えます。くらいは言っても良いでしょう》とポストしていることを考えると、冬橋はここで終わりではなく、霧矢の協力で逃げ出しそうだ。

 そうなると、合六に追い詰められた夏海(戸田)は? この状態を切り抜けるには、合六側に裏切り者が出てくるか、警察の誰かが早瀬のために動くかしかない。Xでは、《真北監察官はワザと一香の情報を合六と弥一に与え、二人を油断させてそう。現物の証拠がないとクジラを捕まえれないものね》などと、真北が二重スパイなのではないかという声がある。

 視聴者の指摘の通り、真北監察官は敵と見せかけて、実は味方なのではないだろうか。真北が内通していたように思えるが、早瀬が足立に「内通者を見つけてくれ」と頼んだことは、まだ回収されていない。足立がこのままなにもしないで終わるとは、これまでの描き方から見て思えないし、早瀬の頼みもあるので、真北以外の内通者を見つけるのでは?

 また、真北監察官の妻・葉月(小橋めぐみ/46)のひき逃げ事故について、なにも話が進んでいないことが謎だ。ファミリーサスペンスとうたう本作は、明らかに「家族の物語」。真北は自分が出世することで妻の笑顔を取り戻すつもりのようだが、それはあまりに安直すぎてドラマのテーマとそぐわない。もっと深い真北の感情が描かれるのではないだろうか。

 最後にもうひとつドンデン返しがないと、ここまで謎が見えていない物語を、終わらせることは難しいのは確かだ。『ラストマン』だけでなく、『マイファミリー』(同局系)や『全領域異常解決室』(フジテレビ系)でも、まさかのドンデン返しで視聴者を驚かせた黒岩勉氏の脚本だけに、どんな結末を迎えるのか注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。