日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
ガソリンは大量に食ったが3ロータリーはパワフルで静か!バブル景気の象徴だった
■GPSによるカーナビを利用した世界初の量産車
1989年から1990年には、好景気に乗って、高性能な2ドアスポーツモデルが次々と登場した。
その中で、優雅な雰囲気を感じさせた個性的な車種がマツダ・ユーノスコスモだ。当時のマツダは、販売系列に応じて特徴のあるクルマを用意しており、ユーノス系列には300/500/ロードスターなど渋い雰囲気の車種が多かった。
シトロエンもユーノス店で併売するなど販売戦略が他社と違っていた。
この中でユーノスコスモは最上級車種になり、3ナンバー専用ボディの上質なクーペだ。内装の造りもていねいで、通信衛生からの電波を利用するGPSカーナビを使った世界初の量産車でもあった。
エンジンはロータリーのみで、すべてツインターボを装着した。特に上級グレードは、先進的な3ローターで、動力性能はV型8気筒4Lに相当する。しかも抜群に滑らかで静粛性も優れていた。
ただし10.15モード燃費は6.1km/Lに留まり、取材で借り出した時の数値は4km/L少々であった。渋滞で燃料がどんどん減っていく時はガス欠を心配したが、バブル経済を象徴する豪華なクルマであった。
メーターは、ブラックのパネルに表示が浮かび上がるデザインだ。インパネ周辺の造りはていねいで、ドライバーを包み込む形状になる。
上級グレードのシートに使われる本革は、オーストリア製の高級品だった。シートのサイズに余裕があり、座り心地も柔軟に仕上げた。
上級仕様となる3ロータリーのツインターボエンジンは、最高出力が280馬力(6500回転)、最大トルクは41kg-m(3000回転)に達した。実用回転域の駆動力が高く、吹き上がりも滑らかだった。
全長は4815mm、全幅は1795mmだから、クーペなのにボディが長かった。水平基調の外観は、ボンネットが長く流麗な印象だ。
1990年に発売され、約5年で生産を終えた。もともと販売台数が少なく、約30年を経過しているため、中古車の流通台数は限られる。その一方で希少性もあり、中古車価格は300万円前後に達する。補修部品に注意したい。