■「注文していない飲食の提供」弁護士の見解は

 林氏はよくても、一般論としては疑問が残る。河原氏が“問題提起”したように、果たしてこれは「アウト」なのかどうかなのか。客が泥酔中など意識がない状態で、店側の人間に勝手に頼まれた酒の料金は支払うべきか、レイ法律事務所の河西邦剛弁護士に見解を聞いた。

 河西弁護士は、「SNSにある断片的な情報で、今回の件について判断することはできない」としたうえで、「あくまでも一般論」としての見方を示す。

「現在の風営法では、客が注文していない飲食の提供を禁止しており、風営法に違反すると店舗側が業務停止処分などを受ける可能性があります。この際、罰則の適用はありません。

 また、客との関係として、後に客側が“オーダーは酩酊状態だから錯誤無効(民法95条)であり、法的な義務はない”と支払いを拒む、あるいは返金を求めることもあり得ます」(河西弁護士=以下同)

 さらに河西弁護士は、SNSに、そうしたやり取りの動画を公開することにも疑問を呈する。

「高額のオーダーを受けている動画をSNSにアップすると、オーダーに対応するキャストの収入を推認させる証拠となるので、税務調査のきっかけにはなります。高級ブランド品の写真をSNSにアップした結果、税務署に贈与税の可能性を指摘されるとの同じです」

 つまり基本的に、「客が注文していない」飲食は本来提供されることはなく、また客側も支払いはする必要がないということ。河原氏も林氏もSNSで大きな影響力を持つだけに波紋が広がったが、飲食店には安心して通いたいものだ。