日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!

エンジンを居住空間の下に搭載して広い室内と優れた安定性を両立した先進の「天才タマゴ

■3ナンバーボディと約300万円の価格で新時代の高級車

 3列シートのミニバンはファミリーカーの代表だ。1990年に発売された初代トヨタエスティマは、その先駆的な存在だった。

 注目されたのはボディのサイズとスタイルだ。3ナンバー車で、エンジンを居住空間の下に75度傾けて搭載したから、ボディの前側が短い。外観は球形で「天才タマゴ」というCMコピーも生まれた。

 エンジンをボディ中央の低い位置に搭載して、後輪を駆動したから、全高が1780mmと高いのに走行安定性は良好だ。全幅も1800mmとワイドだから、ミニバンなのに、峠道を楽しく走ることができた。全長は4750mmで、ボディの前側が短いから、室内長にも余裕がある。3列目の足元空間も十分に広かった。

 そしてエスティマのエンジンは直列4気筒2.4Lだが、価格は296万5000円と高く、V型6気筒3Lを搭載する上級セダンのウィンダムと同等だ。トヨタではエスティマを新時代の高級車として売り出し、その人気が定着した1992年に、ボディを5ナンバーサイズに抑えたエスティマルシーダ&エミーナを約100万円安い価格で発売して大ヒットさせた。トヨタの巧みな戦略に感心させられた。

 インパネの形状も滑らかな曲線で構成される。ATはステアリングホイールの左側に装着された長いレバーによって操作する。

インパネ
インパネ

 3ナンバーサイズのボディは、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2860mmと長く、カーブを曲がるときの安定性も優れていた。

ボディ
安定性の優れたボディ

 エンジンは居住空間の下にあるので、ボンネットの内部には、バッテリーや冷却機能などが収められている。点検も行える。

エンジン
エンジン

 初代エスティマは、販売を終えて約26年を経過する。それでも外観が個性的だから、中古車が150〜200万円で今販売されている。エアロパーツを装着してドレスアップされた車両も多い。部品の流通状態に注意したい。