■考察要素がなくても十分にいい
コミカルとシリアスが交差する展開は、佐藤にはお手のもの。最近は『爆弾』など映画での演技力が高く評価されているが、それも納得だった。橋本もクールなキャラに、キュートさを垣間見せ、アクションも見事。クセ強キャラが多い橋本だが、本作では可愛らしさを感じさせる、アップデートした演技を見せていた。
本作は「考察ミステリー刑事ドラマ」とうたっており、5年前の誠の前妻が刺殺された事件が本筋と思われる。だが、このまま喜多村(竹原)が真犯人では、物語が最後までもたないのは明らか。ほかの人物を匂わせたり、新たな犯人候補を出しながら、最後まで引っ張るのだろう。
気になるのは、原案が秋元康氏というところ。怪しい人物を次々に出して考察を盛り上げる手法は、19年放送『あなたの番です』(日本テレビ系)などで話題にこそなったが、ドラマとして良い出来だったかというと疑問だ。本作も二転三転する落ち着きのない展開にならないか不安ではある。2人の絡みで事件を毎回解決させるパターンでも、十分におもしろいのではないだろうか。
とはいえ、物語は始まったばかりで、どう転がっていくかはわからない。佐藤と橋本の抜群の演技を楽しみつつ、どんなミステリーが展開されるのか注目したい。次回、誠と明日香が夫婦であることが、早くもクセ強な沼袋警察署の課長・小寺園みちる(斉藤由貴/59)にバレてしまうようだが……。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。