■考察ヒントが巧妙な『田鎖ブラザーズ』

 タイトルの「鎖」が、“過去の事件と法制度に縛られている”というメインテーマをあらわし、さらに「ブラザーズ」が裏テーマであり、”兄弟関係”として設定されていることをはっきり見せた第2回だった。現在の事件についてはスッキリ解決というわけではなく、重苦しい回だったが、TVerのお気に入り登録数を伸ばしているのはすごい。それだけドラマに力があるということだ。

 ただ、本筋の両親殺害事件の考察に関してはまだヒントが少なく、《田鎖夫妻の事件、抵抗の後が無い(睡眠薬を盛られたか無理心中?)作家のズン飯尾が父に取材に来てたのは何かの事件の加害者なのか?仕事先の工場長に父が何を頼んでいたのか?もっちゃんの計算ミスは関係あるのか?》など、探り探りといったところ。

 町中華「もっちゃん」の店主・茂木幸輝(山中崇/48)、ノンフィクション作家・津田雄二(飯尾和樹/57)、真(岡田)の上司の警部補・小池役(岸谷五朗/61)が怪しいという声に加え、今回新たに、事件直前の田鎖家の食事シーンや、殺害現場の様子から両親の無理心中という説も出てきている。

 そんな、両親は殺人ではない可能性の匂わせや、過去映像で関係者らしき人物の顔をはっきり映さない演出など、あざといけれどもヒントの出し方は絶妙。兄弟の父・朔太郎(和田正人/46)の職場の工場長も関係していそうだったり、焼きそばにお酢をかけるシーンを何度も出したりと、チラ見せの演出もうまかった。早い段階で考察が出てくるのも納得だ。

 配信の数字からも、第2話という序盤の段階で視聴者がしっかり付いているとわかる。次回、兄弟が両親を殺した犯人と目している津田が見つかるが、序盤では本筋の謎は混迷し、考察が盛り上がるのは、真相が見えてくる中盤以降だと思われる。そこから視聴率と配信を一気に伸ばしそうで、これからの展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。