■別人のような演技の畑芽育
配信の数字が伸びていないのは、緊張感はあるものの、これまでのグズグズ、グダグダした展開で、離脱した人も多いのだろう。脚本は、NHKのドラマ『3000万』の脚本チームで、初回と最終回を担当した弥重早希子氏。こちらも同じく小さな失敗が続き、ズルズルと最悪な状況にハマっていく、ヤバさ満点の展開は癖になる魅力があった。
俳優陣も、未央役の志田未来がうまいのは当然だが、ユメ役の畑芽育が別人のような演技を見せている。これまではどんなに訳ありな役でもキラキラ感は隠せなかったが、ユメの瞳には常に救いようのない闇が潜んでいる。また、サブ俳優の藤井流星(32)も、出てくるだけでイライラさせる演技は抜群。基本、ちゃんとした人が一人も出てこない設定も見事だ。
明らかに、今期イチの怪作といえる本作。そして、見ないともったいないドラマでもある。数字が悪いのは、リラックスして過ごしたい日曜の夜に、こんな不穏なドラマが合わないこともあるだろう。放送日時も、もったいない要因になってしまった。
次回、未央の母の背中を押して死なせたことは、不慮の事故で事件性がないとして逮捕には至らなかったユメだったが、12年前にも、助けようとした行動から人を死なせていたことが明らかに。同枠は全8話なので、ここから物語は一気に突っ走るはず。配信で第1話から見られるので、まだの人は、是非。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。