■今後、1億円を超える可能性も

 さらに海外市場では、保存状態を点数化し、プラスチックケースに封入する鑑定文化も大きい。アンティークコインのように、状態の良いものほど高額になる。

「正直、私はこの流れには少し否定的な部分もあります。雑誌をケースに入れてしまえば読めませんからね。ただ、状態の良いものを求めるコレクター心理や射幸心を刺激していることは間違いなく、それが高値の要因になっているのだと思います」(山内氏)

 では、2冊で約8740万円という金額は妥当なのか。山内氏は日本の市場感覚だけで見ると、かなり異常な金額としつつも、こう続ける。

「『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』は、日本のマンガコンテンツの頂点にあるような作品です。世界的な人気を考えると、状態が非常に良いものであれば、それだけの価格がついても、まったく理解できないわけではありません。今後、1億円を超える可能性もあるのではないでしょうか」

 一方で、バブル的な要素も否定できないという。

「さすがに、今の価格は高すぎる面があります。ただ、一気に価格が落ちるかというと、それはないと思います。日本のマンガやアニメの人気が海外で衰えない限り、ある程度の高値で推移していくのではないでしょうか」(前同)

 では、次に“紙の金塊”となるのは、どの作品なのか。山内氏によれば、市場は今後さらに変わっていく可能性があるとみる。

「今は日本と海外のタイムラグがほとんどなく、日本で人気の作品は海外でもほぼ同時に話題になります。だから『鬼滅の刃』や『チェンソーマン』のように海外で大きくバズった作品の初掲載号も、今後さらに上がる可能性がありますよ」

 あなたの押し入れに眠る古雑誌が、お宝に化ける日がくるかもしれない。

山内貴範
1985年、秋田県出身。『サライ』『トランヴェール』『ムー』など幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。