■岸谷五朗・井川遥・山中崇…怪しい演者は他にも SNSは「病院職員か警察」疑う
なお、津田の死が病死ではなく病院内での他殺だったとすれば、病院関係者か警察の犯行の可能性が高い。複数の関係者による口封じという線も、頭に入れておく必要があるだろう。
SNSでも《きな臭くなってきた。これ、警察も一枚噛んでいるのでは?》《他殺で、怪しまれずに個室の津田を殺せるとしたら、病院職員か警察しかなくなる》と考察する声がやはり、見られる。
こうなると、公式HPの相関図に掲載されていながら、いまだ深堀りされていない刑事課長の竹内恵美(赤間真理子・55)も気になる存在だ。第3話で津田の容態が伝わった瞬間に彼女が見せた反応など、小池との関係も含め、何らかの役割が用意されているはず。その内容が明かされた時、新たな事実が顔を覗かせそうだ。
次に、元新聞記者で田鎖兄弟に情報を提供している質屋の足利晴子(井川遥・49)。回想シーンで、朔太郎が務めていた工場の火災現場で、幼い晴子(中西希亜良・14)が運び出される映像が映った。これにSNSでは、《わざわざ晴子を映すのは、晴子が津田の握った事実を見ていたからではないか》《(※兄弟を支える町中華「もっちゃん」の店主である)茂木(※山中崇・48)と小池が怪しいけど、晴子の疑いも捨てきれない》と視聴者も注目している。
なぜ、晴子はその現場にいたのか。ドラマはその答えを明かしていないが、ひとつの仮説が成り立つ。
晴子は、田鎖兄弟の両親を殺害したと思われる犯人に、出会いざま斬りつけられている。両親殺しへの直接の関与はないとしても、何らかの情報を握りながら、今も隠し通しているのではないか。
その根拠のひとつが、朔太郎が働いていた工場の工場長・辛島貞夫(長江英和・67)をめぐる描写だ。稔が辛島家を訪問した後、妻のふみ(仙道敦子・56)が夫に「大丈夫。あなたは何も心配しなくていいから」と告げていた。この台詞は、夫が何かを案じていることを示唆している。もし辛島夫妻が、朔太郎の過去の違法行為に何らかの形で関わっていたとすれば、幼い頃から工場に出入りしていた晴子がその情報を知っていたとしても不思議ではない。
そう考えると、晴子が田鎖兄弟に「もう時効」「過去じゃなく前を向いて生きてほしい」と言い続けるのは、父の過去が明るみに出ることで兄弟が深く傷つかないよう、守るための言葉だったのかもしれない。
そして、物語終盤で明らかになった拳銃の件だ。朔太郎が子どもたちのために作った玩具のロボットの中から拳銃が発見されたことで、朔太郎が危険な事件に関与していた可能性はいっそう高まった。第5話への予告では、真が稔に「これ以上調べたら、知りたくない情報も出てくるかもしれないぞ」と伝えている。もし、それが、晴子が兄弟に隠そうとしている秘密と重なるものだったとしたら──。
《怪しい人が多すぎる。でも怪しいだけなんだよ》《犯人らしき人が増えてきたけど、事件の鍵を握っているだけな気がする》《まだ序盤だから、わからない》といった慎重派の声もやはり、散見される。
確かにその通りだと、筆者も思う。第4話は、田鎖兄弟が追う両親殺害事件が、政治家や警察など複数の者が絡む、大きな闇が潜んでいる可能性を示唆したに過ぎない。そうなれば今後、真相に近い人物が次々と消されていく展開も十分に考えられる。津田のように、辛島夫妻もまた、口封じに遭う未来が見えてくる。
物語はまだ中盤にも差し掛かっていない。田鎖兄弟は、もう戻れない沼に足を踏み入れてしまったかもしれない。ここからどんな情報が提示されていくのか、本番はむしろ、これからだ。
衣輪晋一(きぬわ・しんいち)
メディア研究家。雑誌『TVガイド』を経て制作現場を直接、長年見た経験とインタビュー経験から、多くのエンタメコンテンツを執筆。現在『マイナビニュース』『オリコンニュース』をはじめ、昨今では『東洋経済オンライン』でビジネス系のメディア研究も。写真集『堂本剛の正直I LOVE YOU』企画発案。元『メンズナックル』コピーライターなどサブカルにも通じる。制作会社でドラマアドバイザーを務めた経験もある。