5月13日、元アナウンサーで医療系スタートアップの元代表だった原拓也容疑者(38)が、投資会社から16億円超をだまし取ったとして逮捕されたと報じられた。自社を“優良企業”に見せかけ、買収させようと企んだというが――。

 原容疑者が代表だった「MTU株式会社」は2020年に設立。「医療×ITで人々の健康寿命の最大化を実現する」をミッションに掲げ、事業内容は医療機関向けセキュリティ事業や、AIによる医療データプラットフォーム事業など。「昨今の医療機関へのハッキング被害をはじめとするITの課題をオンラインとオフラインの両軸でサポートする」とうたっていた。

「原容疑者は2024年、医療機関向けに提供するメディカルセキュリティクラウドサービス『Mowl』やAI医療データプラットフォームといったプロダクト開発やマーケティング・採用の強化などという名目での資金調達に奔走していて、同年8月末には累計調達額が5.3億円にのぼったと報告しています。

 それだけを聞くと組織の拡大に腐心しているように聞こえますが、その後、原容疑者は、MTU社の買収を投資ファンドに持ちかけ、MTU社の強みとして"自社のサービスが多数の医療機関に導入されている”として、取引先の医療機関名を提示するなど嘘のアピール。自身の口座を含め、トータルで約16億3000万円を振り込ませたといいます。しかし、実態は虚偽でした。実際にサービスを導入した医療機関はなく、売上も0円でした。なお振り込まれたカネのうち、約6億円は自身の借金に充当したとみられています」(全国紙社会部記者)

 投資会社が原容疑者の「嘘」を信じてしまった背景には、テレビ番組の存在もあったという。

「かつてテレビ番組で同社及び同社のサービス『Mowl』が紹介されたことも、投資会社に対してアピールしていたようです。原容疑者はもともと愛媛県の民放局アナウンサーだったことから、テレビ局の事情はおおよそわかるのでしょう。知人に協力してもらい、自社サービスが医療機関で導入されているかのような“でっちあげ”のフェイク台本を作り込んだのです」(前同)