日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!

高回転指向のエンジンと優れた走行安定性により峠道で熱い走りを満喫

■高性能車なのに価格は200万円以下で買い得だった

 シビックはホンダの象徴的な存在で、1972年に発売された初代モデルから、RSを用意するなどスポーティな仕様を選択できた。その中でも特に注目された車種が、6代目に追加された最初のシビックタイプRだ。

 6代目シビックの3ドアボディは、全長は4200mm以下と短いのに、ホイールベースはセダンのフェリオと共通化したから2620mmと長い。4輪がボディの四隅に配置され、車両の素性としても走行安定性が優れていた。高性能化に適する素材であった。

 シビックタイプRはエンジンも注目された。直列4気筒1.6Lツインカムは、ターボを装着せずに最高出力の185馬力を8200回転で発生した。最大トルクの16.3kg-mも7500回転で発生するため、きわめて高回転指向であった。5速MTを駆使してエンジン回転数を5000回転以上に保ちながら峠道を走ると、抜群に楽しく、4輪の接地性も高いから安全性も優れていた。

 高性能だが、速く走らせるには相応のテクニックが必要で、クルマ好きの気持ちを高揚させる性格も備えていた。東京地区価格は199万8000円と割安で、多くのユーザーが運転の楽しさを満喫した。

 メーターは針がイエローで、バックライトはオレンジ。カーボン調パネルも備わる。ステアリングホイールは小径だがエアバッグを内臓する。

インパネ

 前席には、タイプR専用のレカロ製バケットシートを装着した。ドライバーを確実にホールドする。シート生地はスエード調ファブリックだ。

シート

 エンジンの内部は手で磨き上げ、吸排気抵抗を低減させている。ほかの車種では得られない、高回転域まで回す楽しさを味わえた。

エンジン

 高性能車だが、全長は4180 mm、全幅は1695mmとコンパクトで、最小回転半径も5.4mに収まる。混雑した街中でも運転しやすい。

コンパクトなボディ

 ターボを装着しない最初のシビックタイプRは、高回転指向のエンジンに魅力があり、今では希少性が高い。2001年に販売を終えてから、25年以上を経過しており、中古車の流通台数は限られる。そのために中古車価格は300万円以上が中心だ。