相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 5月24日に千秋楽を迎えた大相撲夏場所は、とにかく休場者が多い場所だった。

 まずは左肩を痛めている横綱・大の里。横審稽古総見でも稽古をしなかったが、初日から休場。また、稽古中に足を痛めたという大関・安青錦の姿もない。

 すると、初日の高安戦で左足の太ももを負傷して、付け人に肩を借りて花道を下がって行った横綱・豊昇龍が2日目から休場。

 場所前、オレは豊昇龍の優勝を期待していたんだけど、またしても外してしまったよ(笑)。

 入門2年弱と破竹の勢いで大関昇進を果たした安青錦は、春場所千秋楽で、これまで負けたことがなかった豊昇龍に敗れて、まさかの負け越し。

 夏場所はカド番となったので、当初は途中からの出場も検討していたらしいが、「きちんと治してから出場させたい」という師匠(安治川親方=元関脇・安美錦)の意向で、全休となった。

 大関在位わずか3場所。7月の名古屋場所には関脇に陥落する。

 ただし、「大関陥落直後の場所で10勝以上を挙げると、大関に復帰できる」という相撲協会の規定があるので、安青錦のケガが癒えて、以前のような相撲を取ることができれば、10勝できる気もするが、はたしてそう簡単に行くかどうか?

 というのも、「力士は番付(地位)が落ちると、落ちたなりの相撲しか取れない」と言われている。

 この半年間で、安青錦は他の力士にだいぶ研究された。意外と秘密主義で、巡業などで他の力士と、あまり手合わせをしないのも、考え直したほうがいいかもしれない。