■安定感抜群の医療ドラマは乱立状態で“差別化”も――

 有名なところでは、救命救急センターが舞台の江口洋介(58)と松嶋菜々子(52)のダブル主演作『救命病棟24時』シリーズ(99年1月期~/フジテレビ系)は第5シリーズ(13年7月期)まで展開。今年10月クールに続編が制作予定だとも報じられている。7月期の今田主演の『クロスロード』にスタッフが携わっている『TOKYO MER』も、“救命”がテーマで人気を博し、今年8月21日には劇場シリーズ第3弾『CAPITAL CRISIS』が公開予定だ。

「ただ、さすがに医療ドラマが多すぎて、マンネリ化も言われていますね。それもあって、“レントゲン技師”や“薬剤師”など少し違った職業にフォーカスしたり、キャラクターや舞台設定に強烈な個性をつけるなど、常に差別化を意識しているところも。

 今回も、特に比嘉さんが主演する『ファーストクライ』は、主人公の役職や舞台が“セレブ病院に秘密裏に結成された母子救命救急班”という、独自色の強い設定ですよね」(前出の制作会社関係者)

 これまでも、テレビでは多種多様で個性豊かな医療ドラマが放送されてきた。たとえば石原さとみ(39)演じる薬剤師の活躍を描く『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(20年7月期/フジテレビ系)、川栄李奈(31)演じる新人ナースエイド(看護助手)が主人公の医療サスペンス『となりのナースエイド』(24年1月期/日本テレビ系)、橋本環奈(27)主演の“元ヤンドクター”が主人公の『ヤンドク!』(26年1月期/フジテレビ系)など、挙げればキリがない。

 また、今田主演の『クロスロード』を巡っては、テレ朝の“狙い”も感じられるという。

「テレ朝は、『ドクターX』の終了もあって、新たに局の看板となる医療ドラマシリーズを展開したいと考えているはずです。そこで『クロスロード』を制作するに至ったというところもあるでしょう」(前同)

 米倉が主演した『ドクターX』は第7シーズンまで制作された大人気シリーズだったが、2024年公開の『劇場版ドクターX FINAL』で完結している。ちなみに、今回話題の今田は同シリーズに“看護師”役で出演していた。『クロスロード』で医師を演じると発表された際に今田は、《いざお医者さん側に立つと、見える世界が全然違う!》と、『ドクターX』を意識したコメントをしている。

「今田さんはNHK連続テレビ小説あんぱん』(25年前期)で主演を務めたり、『テレビCMタレントランキング』(関東地区/ビデオリサーチ調べ)では25年の年間CM露出タレント1位に輝いたりと、トップクラスの人気女優。そんな彼女にテレ朝が大きな期待を寄せ、シリーズ化を狙ったドラマを制作したと考えるのが自然ではないでしょうか」(同)

 かようにテレビ界で人気のある医療ドラマだが、“欠点”もあるという。

「シンプルに、カネがかかるんですよね。舞台となる病院、細かな美術セット、救急車なども。さらに手術シーンを描くにあたっての医療監修や手術器具、細かい演出など……とにかく費用が発生するポイントが多いんですよね」(同)

 最近の作品で言えば、橋本主演の『ヤンドク!』は、病院の外観にフジテレビの湾岸スタジオが用いられたり、手術シーンがアニメーションだったりと、ところどころに“低予算感”があることが話題となった。

「ただ、それを差し引いても、やはり人気のジャンルで、安定感がありますよね。今回、テレ朝の『クロスロード』と日テレの『ファーストクライ』のポスタービジュアルが似た感じになったのは偶然でしょうが、そうなりやすい土壌はあったということですね」(同)

 7月期に放送される今田主演の『クロスロード』と比嘉主演の『ファーストクライ』。同じ事務所に所属する女優2人の作品は、放送前から注目を集めることになったようだ――。