■元巨人ヘッドコーチに話を聞くと――

 橋下氏とひろゆき氏の意見に対しては、

《これはそう思う。許される社会は必要》
《本当に…。辞任しちゃったら娘さんも一生の傷になってしまうし家族との関係や今後も堂々と親子ですって名乗れなくなるだろうしね…》
《この事案に関してはひろゆきさんと橋下徹さんに同意します。これをきっかけに児相へ相談する空気が萎縮してはならないし、このままでは阿部さんの娘さんのダメージも回復できないので》

 といった賛同する声が多く寄せられているが――元スポーツ紙巨人担当デスクは言う。

「やはり、“逮捕”という事実が大きかったですよね……。巨人じゃなくても、逮捕となると厳しいんですよ。誤認逮捕とかなら話が変わってきますが、今回はそうではないわけで……」

 プロ野球界の中心にいる読売ジャイアンツ。「巨人軍は常に紳士たれ」という球団のモットーが有名だが――今回の騒動を元関係者はどう感じているのか。現役時代にも巨人に在籍し、阿部前監督が現役で活躍していた2007年~ 2010年には一軍ヘッドコーチも務めた伊原春樹氏は、本サイトの取材にこう話す。

「現代はコンプライアンスが重視される時代ですよね。ですので、暴力事件を起こした以上、巨人に限らず、どの球団でも監督辞任は避けられないことなのだと思います。

 ただ……ナベツネさんが健在だったら、辞任まではいかなかった可能性もあるのかな、とも思いますね」(伊原氏、以下同)

“ナベツネ”とは、元読売新聞グループ本社代表取締役主筆であり、“球界のドン”とも評された大物オーナー・渡邉恒雄さん(24年12月に逝去、享年98)のことだ。

「ナベツネさんは清濁併せ吞む人だった。そして、慎之助は選手時代からずっと巨人に貢献してきた人物。それに、今回の件は外で起きたことではなく、家庭内での出来事ですよね。ナベツネさんなら、慎之の話をしっかり聞いて、辞任とは違う落としどころを作れた可能性はあったかもしれませんね」

 阿部前監督は2001年に巨人に入団。2019年に現役引退するまで、19年間巨人一筋で活躍。正捕手や一塁手として何度となくリーグ優勝や日本シリーズ優勝に貢献し、チームの主将(07年~14年)も経験した。さらに引退してすぐに二軍監督に就任し、24年には一軍監督に就任。今回辞任するまで、四半世紀近く巨人に身を置いてきた。

「個人的には、今回の件は慎之助が可哀相だと感じています。おそらく世の9割くらいの人も、同じように思っているのではないでしょうか……」

 SNSでも《マジでナベツネが存命ならな。たぶん表沙汰になってない》《ナベツネさんご健在だったら違う決断になったような気がする》など渡邉さんを思い出す声は多い。

伊原春樹(いはらはるき)
1949年生まれ。元プロ野球選手(内野手)・コーチ・監督、解説者・評論家。
西鉄ライオンズに入団してから1980年までプロ野球で内野手として活躍。一時期は読売ジャイアンツにも在籍していた。現役引退後には、西武ライオンズ、阪神タイガース、読売ジャイアンツ、オリックス・ブルーウェーブなど、数多くの球団で監督・コーチを経験。2026年現在は社会人野球の茨城トヨペットでアドバイザーをしている。