■ファンタジーから不倫への見事な転換
うたい文句の「大人のファンタジック・ラブストーリー」はどこへやら、すっかりドロドロ不倫ドラマの様相になってしまった。最初は拒みながらも、結局は慧(高杉)を受け入れてしまうあゆみ(木南)。さらに、互いの夫と恋人が手を組みそうだし、渉(中村)の不倫と会社の産地偽装に気づいた、加藤シェフ(YU/31)も絡んできそうで、最終盤で盛り上がってきた。
これは、慧が幽霊だったころの「幽霊相手だから不倫ではない」という前提での、ファンタジーないちゃいちゃを見せていたのが効いている。そこからのドロドロ展開なので、愛を貫く2人を見てのモヤモヤぶりも増幅されるのだ。ラストの抱き合うシーンで、あゆみの結婚指輪を映し出していたのは、修羅場が始まる合図だろう。つくづく演出がうまい。
視聴者のXの反応も、慧ディスを含めて、なんだかんだドロドロを楽しんでいるように見える。やはり、不倫ものはみんな大好物なのだろう。第8話の平均世帯視聴率は前回から0.6ポイント下げて3.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と今ひとつだが、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は50.4万(5月30日午後3時現在)と、この終盤で伸びていて、支持が拡大している。
惜しむべきは、もう少し早くドロドロ不倫に展開させていれば、ということ。しかし、あゆみと慧の不倫だけでなく、あゆみの友人・舞(佐津川愛美/37)と渉の不倫、渉の会社の産地偽装、さらに、両親のW不倫で置いてきぼりな娘・陽菜(吉田萌果/11)の今後など、気になる要素満載で、終盤の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。