■伊東、中村、堂安に久保と多彩な前線!

 今、突破力のある世界的なアタッカーと言うと、フランス代表のウスマン・デンベレ選手、ブラジル代表のビニシウス・ジュニオール選手など数人はいますが、三笘選手は彼らに匹敵する人材。イングランド戦でもハーフウェーライン手前からグイグイと持ち込み、中村敬斗選手のリターンを受けて決勝点を決めましたが、彼がいなくなった分、日本は違った攻撃の形を作らなければいけない。それは大きなテーマになるでしょう。

 三笘選手はいないものの、やはり仕掛けられるアタッカーの存在は重要です。私たちが1994年アメリカW杯を目指していた頃にも福田正博さんというドリブラーがいましたし、前園真聖さんも存在感を示しましたが、今の代表にも伊東純也、中村敬斗といった選手がいる。そこには大いに期待できるところです。

 森保監督は3月に伊東・三笘両選手をシャドウに並べる形にトライしましたが、W杯本番では伊東、中村両選手を有効活用しつつ、久保選手や堂安律選手と合わせて起用するのが一案。鈴木唯人選手、塩貝健人選手といった若いメンバーも選ばれましたので、さまざまなトライをしていくのではないかと思います。

 誰が離脱しても、多彩なコンビネーションで戦えるのが今の代表。それは森保監督も自信を持っている点です。「今の日本には世界に通じるタレントがいる」と彼は口癖のように話していますが、それは紛れもない事実だと私も感じます。

 22年カタールW杯ではモロッコがベスト4進出を果たし、頂点まであと一歩というところまで迫りそうでしたが、次はアジア勢でしょう。となれば、日本以外には考えられません。

 グループを突破し、ブラジルやモロッコと対戦が見込まれるラウンド32のハードルを越えれば、本当に上が見えてくるでしょう。私も全身全霊を込めて応援するつもりです。

ラモス瑠偉(らもす・るい)
1957年2月9日生まれ。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身。77年に来日し、読売サッカークラブ(東京ヴェルディの前身)でプレー。攻撃の核として5度の日本リーグ優勝に貢献し、得点王を2回、アシスト王を3回獲得した。93年にスタートしたJリーグでもヴェルディ川崎の中心選手として活躍。チームを初代王者、さらに連覇に導くとともに、自身は2年連続でベストイレブンに選出されるなど、Jリーグの草創期を支えた。89年に日本に帰化して日本代表でもプレー。司令塔としてアジアカップ初優勝をもたらし、94年W杯予選でもチームをけん引したが、あと一歩というところで本大会の出場権を逃した。98年に現役引退。指導者としては古巣の東京VとFC岐阜で指揮を執り、ビーチサッカー日本代表の監督としてW杯で世界を凌駕する活躍を見せた。国際Aマッチ通算32試合1得点。2018年、日本サッカー殿堂入り。
ラモス瑠偉公式サイト:http://www.ramos.jp/
(本連載取材協力:KAKU SPORTS OFFICE)