■迷惑行為も収益化? TikTokの「回答」は
まず、TikTokの画面にある「プロモーション」表記の意味について。そもそもこの表記は、 TikTokアプリ内の「広告設定」で、投稿者が表示させることが可能だ。投稿がブランドやビジネスをプロモーションしていることを知らせるためのものだが、TikTok広報担当者によれば、「『プロモーション』と表記される投稿が、必ずしも収益化されているとは限らない」という。
「TikTokではいくつかの収益化方法がありますが、当該アカウントに関しましては現状、TikTok公式収益化プログラムの対象外となっておりました」(広報担当者=以下同)
つまり、迷惑行為について「再生回数を増やしたかった」と話す新西容疑者は、収益目的でなかったということになる。アカウントの運用ルールや監視についてはどういう体制となっているのか。
「TikTokでは、ユーザーを含めプラットフォーム全体の安全を守るルールとして、グローバル共通のコミュニティガイドラインを定めています。機械による自動モデレーション技術と人間による審査の両方により、24時間365日、投稿されたコンテンツがコミュニティガイドラインに違反していないか審査。コミュニティガイドライン違反が検知されたコンテンツは、削除などの対応を行います。
その他ガイドラインに違反している可能性のあるコンテンツについては、ユーザーから寄せられた通報についても審査を行い、審査対応時に活用しています」
つまり自動検知と人間の審査というダブル監視を行なっているということである。
なお、TikTokは定期的に「コミュニティガイドライン実施レポート」を発行している。TikTok公式Newsroomが公開した2025年7~9月期の同レポートによれば、同期間に世界で削除された動画は約2億450万本で、プラットフォームにアップロードされた全コンテンツの約0.7%にあたる。このうち1億8760万本は自動検知技術によって検出・削除された。また、偽アカウントや13歳未満とみられるアカウントも削除されている。
では、今回の事件のような逮捕案件につながる動画が投稿されていることについて、TikTok側はどう考えているのか。
「業務妨害に該当し得る動画については、日本法上、営業上の利益を侵害する情報に当たり得るものと認識しています。当社では、情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)に基づく申告・報告を受けた場合には、公表している送信防止措置基準に則り、個別の事案ごとに要件を慎重に検討した上で、必要に応じて適切な措置(送信防止措置)を実施します」
という。当該アカウントが削除されない理由を尋ねると、「権利を侵害された方からの通報があれば審査がなされます」とのこと。
「権利を侵害された場合、その他送信防止措置基準に該当するコンテンツをご報告される場合には、対象となるコンテンツの種類ごとに、『情プラ法に基づく権利侵害等の報告』としてご報告いただくようお願いします。情報流通プラットフォーム法に基づく報告は”権利を侵害された方”からの通報などの要件がございます。(削除されないのは)被害を受けた当該企業などからの報告が確認されていないためかと思われます」
今後、アカウント運営の強化など、何らかの措置を講じることはありえるか。
「個別案件によって生じる今後の措置や対応方針について、現時点で具体的に申し上げることは差し控えさせていただきますが、当社としては、コミュニティガイドラインに基づき、ユーザーとコミュニティの安全確保を最優先事項としています。更なるプラットフォームの安全性と安心性の向上に向けて、今後も継続的に審査や運用体制の改善に取り組んでまいります」
世界的な巨大メディアとなっているTikTok。迷惑行為を働けば再生回数が回る……のままでは、新たなトラブルが起きうるかもしれない。