■きっかけは『逃げ恥』――半径5メートルの話題が中心となりつつある民放ドラマ
なぜ今、結婚や夫婦間の問題をテーマとしたドラマが視聴者にウケるのか――。
セクハラや性教育などをテーマとしたニュース番組『Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜』(AbemaTV)のプロデューサーを務めた元テレビ朝日の鎮目博道氏が解説する。
「近年ではキー局のドラマも、どこかにあるキラキラとした都会の生活が描かれた“トレンディードラマ”から、視聴者の半径5メートル以内にある現実を扱ったテーマにシフトしています。それが顕著だったのが、偽装結婚が物語の軸となった『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系・2016年)。
そしてセックスレスは近年、30〜40代の女性の間では深刻な話題として受け止められています。しかし、家庭内の問題ですから他人に相談はしにくい。夫婦生活をドラマの題材として扱うことで視聴者は共感を覚えやすいのです」
夫婦共働きが当たり前となった現代においては、家族の問題に焦点を当てたドラマが視聴者の心を掴むという。
「“セックスレス”がテーマとなる『あなたがしてくれなくても』ですが、性に関する話題を社会問題として扱うことで地上波のゴールデン帯で放送できる内容になっています。今後、視聴者の共感を得られる形で、どのように夫婦関係の修復をドラマの中で描いていくのかは注目です」(前同)
堂々と話題にはしにくいセックスレスに正面から向き合うドラマ『あなたがしてくれなくても』。夫婦関係に悩んでいる人こそ、今期観るべきドラマと言えるのかもしれない。