■第三者、ネット上で見聞きした虐待疑いであっても通報すべき 児童相談所が回答

 児童相談所の役割のひとつには、家庭内での虐待等からの児童保護がある。今回のSNSユーザーによる通報はその役割に即したものとも言えるが、近隣住民でない第三者や、真偽不明なネット上の情報を基にした通報でも、児童相談所は対応できるものなのだろうか。

 児童相談所の援助をはじめ、関係機関と連携した事業を行う東京都の児童相談センターにたずねた。

 担当者は今回の一件を「認識している」とした上で、ネット上などの第三者の通報について、「“児童虐待を受けた児童”や“児童虐待を受けたと思われる児童”がいる場合には、第三者であっても、児童相談所や福祉事務所等に通告してください」とコメント。知人や近隣住民でなくとも、通報は推奨しているようだ。

 この根拠法として、『児童虐待の防止等に関する法律』と、その第六条にある《児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない》という条文を紹介してくれた。

 今回は保護者の個人情報が拡散されたが、虐待と思われる事案があったとしても、必ずしも身元が分かるとは限らない。それでも児童を保護する必要があると感じた場合にはどうすればよいのか──。

「ネット上の投稿で居住地等が特定できない場合、通告を受けた児童相談所では、警察とも連携して対応します。例えば、SNSの運営者に連絡し、プロバイダを特定して投稿者を確認するなどの方法が考えられます」

 プロバイダの特定となると手続きに多くの時間を費やすが、この点に関しては「事件性がある場合や緊急性が高い場合などは、警察に通報することもご検討ください」と勧めている。

 児童相談所の存在は改めて注目されているといえるだろう。