相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
6月6日、先の夏場所で2度目の優勝を果たした小結・若隆景の優勝パレードが、故郷・福島市で行われた。
オープンカーの若隆景の横には、次兄・若元春が座り、笑顔で手を振る。
その後ろには先日、現役を引退して、若者頭に転身した長兄・若隆元さんと、後援会長が乗った車が続く。
福島駅前の大通りを、およそ30分かけてのパレードには、1万5000人ものファンが駆けつけた。「大波三兄弟」が地元に愛されている証拠だ。
若隆景が初優勝したのは、2022年の春場所だった。当時は、コロナ禍でパレードができなかったこともあって、地元のファンにとって、今回は念願の初パレードとなった。
「たくさんの人が来てくださって嬉しいです。もう1つ上の番付、大関を目指して頑張っていきます!」
と、目標を語る若隆景は自信にあふれている。
本人が嬉しいのはもちろんのことながら、一番喜んでいるのは、お父さんの政志さんじゃないかと思う。
実は政志さんは元幕下力士・若信夫で、昭和42年生まれ。オレと誕生日が半年しか違わない。
なぜ接点がなかったかというと、政志さんは42年4月1日生まれなので、オレより学年が1つ上の「兄弟子」だからだ。
幕下まで行った政志さんだったが、21歳で引退して、名古屋で「ちゃんこ若葉山」で板前修業をした。
この店を経営していたのが、元小結・若葉山の錣山親方(12代)。後に政志さんは親方の娘さんと結婚して、故郷・福島市に「ちゃんこ若葉山」を開いた。