■昨年には映画で日本アカデミー賞も受賞

 たとえば、山田の直近の出演作である、堤真一(61)主演のTBS系日曜劇場『GIFT』(~6月14日)。同作で山田は“高校時代はサッカー選手だったが、交通事故を経て車いすラグビーの選手になった青年・宮下涼”を熱演。事故で下半身が動かなくなってしまった際の悲痛な姿、激しくぶつかり合う車いすラグビーの試合中の鬼気迫る表情、自分の存在意義に悩む姿――視聴者の感情をゆさぶる数多くのシーンが話題となった。

 また最近の映画では、山田が日本アカデミー賞の優秀主演男優賞、佐藤二朗(57)が最優秀助演男優賞に輝いた『爆弾』(25年)も大きな話題に。

【以下、映画『爆弾』のネタバレを含みます】

『爆弾』は都内に爆弾を仕掛けたと主張する謎の男・スズキタゴサク(佐藤)と、彼を取り調べる刑事たちの攻防を描いた作品。山田が演じたのは、頭脳明晰で、もじゃもじゃ頭と丸メガネが印象的な刑事・類家。

 山田演じる類家はスズキを“タゴちゃん”と呼ぶなど飄々としつつも、スズキの話術に翻弄されてしまう人物。登場シーンの大半は狭い取り調べ室だったが、スズキや周囲の刑事との緊迫したやり取りは、多くの観客を釘付けにした。類家はスズキに“世のくだらなさにうんざりしながら小理屈で武装している”と図星を突かれる場面があり、類家もそれを認めるが、それでも一切目をそらさずにスズキを見つめ続けるなど、強い信念を感じさせた。

 今回の『キングダム』のポスタービジュアルもそうだが、山田の“目の演技”には、人を惹きつけるものがある。作品によっては、どこまでも柔和でお人好しな雰囲気にもなるし、冷静な感じにも、熱血漢にも。それらを繊細に演じ分けてる感じだ。

 山田は23年に『キングダム』シリーズへの出演が決まった際に、《選んでくださった方に対して僕ですか?と思うと同時に、凄いなと思いました。僕の中にもある闇、嫉妬深さ、怨み深さを見抜いてくれたわけですから》とコメントしている。今回の最新作では、それらを全力で出し切っているようだ――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『キングダム』シリーズは第1弾から追っている。