日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。7月5日の函館競馬ではダノンキューブに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

(以下の内容は2026年6月29日に寄稿されたものです)

  海外遠征先のフランスでワインを飲みながら、「いつか一緒にGIを勝てたらいいね」と話していた田中博康調教師から、騎乗依頼をいただいたシックスペンスと制した安田記念。

 松本好雄会長が天国から降らしてくれた豪雨のおかげで、2週連続のGI制覇という、これ以上ない幸せを味わったメイショウタバルとの宝塚記念V。

 僕自身、最高の気分で迎えた今年の北海道シリーズでしたが、どこへ行っても、「おめでとう!」の嵐で、その反響の大きさに、ちょっと驚いています。

 おかげさまで、タバルは石橋厩舎に戻ってからも元気。脚元の問題もなく、カイバをモリモリ食べ、放牧先である滋賀県甲賀市にあるキャニオンファーム土山に到着。秋の大一番、僕自身の夢であり、日本競馬の悲願でもある凱旋門賞制覇に向けて、新たな一歩を踏み出しました。

 舞台となるパリ・ロンシャン競馬場で雨が降ると、日本とは比較できないくらい、もっとねちっこい馬場になりますが、タバルなら、それさえも味方にしてくれそうな気がしています。

 昨日より今日。今日より明日。きたるべきその日のために、僕自身もさらに成長しなければ……と気持ちを新たにスタートしたのが、今年開設130年を迎えた函館競馬場を舞台にした夏競馬です。

 参戦初日の6月20日、JRA通算4663個目の勝利を挙げたのは、3歳未勝利の2Rで、パートナーは、これが7戦目となるコイタマチャン。相手なりにしぶとい走りができる馬で、この後も期待できそうです。