■出社義務を強めると離職率が上がる

 この新たなトレンドを巡っては、ネット上でも「形だけのルールを押し付ける会社への賢い抵抗。家のほうが圧倒的に集中できる」「出社しても結局みんなイヤホンをしてオンライン会議をしているだけなら、移動する時間がもったいない」「さすがに会社を舐めすぎだし、交通費の無駄遣い。やることさえやっていれば何でも許されるわけではない」といった様々な声が聞かれます。

「コーヒーバッジングは、怠慢というより“会社と従業員の価値観の折り合い”から生まれた現象。企業側は出社による安心感や管理のしやすさを求めますが、従業員側は『成果が出ているなら働く場所は自由であるべき』と考えている。

 特に現在は、リモートと出社を柔軟に選べる勤務形態が、企業選びの重要条件です。実際、海外では出社義務を強めた企業ほど離職率が上がったという指摘もあり、日本でも同じような傾向が見え始めています。

 一方で、完全リモートでは若手の育成などに課題が出るのも事実。だからこそ最近は、“全部出社”でも“全部在宅”でもない、双方の妥協点を模索する企業が増えているのです」(労務コンサルタント)
企業側は対面コミュニケーションによる意思疎通や組織の連帯感を重視して出社を求め、従業員側には生活の質を維持するために効率的な働き方を死守したいという本音がある。そのせめぎ合いの中から生まれたコーヒーバッジングという行動は、一時的な流行にとどまらず、ハイブリッドワーク時代を象徴する新たな労働スタイルとして浸透していきそうです。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。