■直人・高橋文哉が物語を動かす
あずさ(夏帆)は施設育ちで身寄りがいない、充(松山)は身内とは疎遠。咲子(蒼井)の母親は毒親。充の人を嫌いにならないコツは「嫌いになる前に自分から先に離れる」ことなど、今後のストーリー展開に関わりそうなことがいろいろとわかってきた。だが、とりあえずあずさも充もパートナーの知らない面を持っていたということまでで、まだ全体はボンヤリしている。
そんな中、今回、目を引いたのは直人(高橋)だ。X上では、《直人くんが「充さんは奥さんの愚痴を言ってた」と嘘をついたのびっくりした。樹生さんは直人くんが奥さんに横恋慕してるのかと思ったみたいだけど、直人くんどっちかっていえば充さんのほうが好きなんじゃ? そういう話になるのかな、この先》などと考察する声が。
樹生が1人で「ひこうき」を訪ねたとき、直人が樹生に食ってかかるシーンでの咲子が好きだったかのようなセリフに違和感を覚えたが、充が好きだったと考えれば、いろいろと腑に落ちる。第1話での充に対する態度が、尊敬するオーナーへとはまた違う、微妙な感情をうまく表現していたのだ。今さらだが、素晴らしい演技だった。
今のところは、咲子と樹生が互いのパートナーの不倫を疑い、その過去を探る話で展開している。しかし、ここに直人が絡んでくるとなると、一気に話は複雑になりそうだ。千葉行利プロデューサーが公式サイトで本作についてコメントしている「綺麗事は一切無しの毒入りヒューマンドラマ」が見えてくる。
すでに、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は93.0万(7月21日午後1時現在)。先行していた作品を抜いてドラマ部門1位に躍り出ており、今の伸びの勢いを考えると、大ヒット作の基準となる100万にはすぐに届くはず。SNSでの注目も大きく、『Tシャツが乾くまで』は夏ドラマ一番の話題作になりそうだ。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。