日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
世界初の量産ハイブリッド車だが基本的なメカニズムは30年後の現在と共通
■モーター駆動だけで静かに発進する感覚が新鮮だった
1997年に発売された初代トヨタプリウスは、世界初の量産ハイブリッド車だ。ハイブリッドシステムの基本的な仕組みは、今のトヨタ車に幅広く使われるタイプと同じだ。エンジンとモーターを走行状態に応じて自在に使い分けた。エンジンの動力を2系統に分けて、ホイールを駆動しながら発電機も作動させ、その電気でモーター駆動も行う。
また、ハイブリッドや電気自動車では、減速時に駆動用モーターが発電して駆動用電池に充電するが、初代プリウスでは、早くもブレーキペダルとの協調制御を実現させた。走行状態によっては、ブレーキペダルを踏んでもディスクブレーキは作動せず、モーターの発電効率を高めて減速した。その分だけ燃費が向上する。
運転感覚も新鮮だ。アクセルペダルを踏むと、エンジンを始動させず、モーター駆動だけで静かに発進する。今では当たり前だが当時は驚いた。また長い登り坂を走ると、ハイブリッドシステムを保護するために出力が絞られて動力性能が低下した。このときにはメーターに「亀」マークが表示されるなど、今とは違う機能もあった。
インパネの中央にはディスプレイが装着され、ハイブリッドシステムの作動状態や燃費の変化をイラスト状に分かりやすく表示した。
丸みのあるボディスタイルは、空力抵抗も抑えていた。10・15モード燃費は28km/Lとされ、当時の乗用車では最高峰の数値だった。
全長は短いが、全高は1490mmだから、セダンでは天井が高めに設定される。そのために頭上には十分な空間があって開放感も味わえた。
初代プリウスは、2代目以降と違って5ナンバー車だ。全長は4275mm、全幅は1695mmに収まる。それでも独立したトランクスペースを備えた4ドアセダンだ。
初代プリウスは、1997年から2003年に販売された。販売の終了から20年以上が経過しており、なおかつ初代モデルは、3代目以降に比べて販売台数が少なかった。そのために中古車市場にはほとんど流通していない。