■意外と困難が多い『VIVANT』

 前作と同じく、初回から情報量がてんこ盛りで壮大な作りだった。しかし、それでも見やすさを感じたのは、AIが概要を説明してくれたり、乃木がどうピンチを切り抜けたのか解説するシーンが入っていたからだろう。久しぶりに見る視聴者もスッと入ってこられる、親切な作りになっていた。

 これは、本作が2クール(6か月)放送と期間が長いこと。さらにTBSが、9月19日から10月4日まで『アジア大会』を生中継するするという事情があるのかもしれない。2クールも続けば離れてしまう視聴者が出るのは仕方がないし、『アジア大会』の中継が入って放送休止になればなおさらだろう。最後まで圧倒的な視聴率のまま完走するには、困難が多いのだ。

 それらを避けるため、シーズン2は意図的にわかりやすい作りにしているのではないだろうか。AIの登場は、前作の翌日という物語設定もあって、視聴者からは《こんなAIがあるなら、なんで前作時点で出てこなかったのか》などと、とまどいの声もあったが、わかりやすさという点では、この起用は大正解に思える。

 配信サービス・TVerのお気に入り登録数の伸びにも勢いがあり、視聴率とともに、とりあえずスタートは満点。年内いっぱい、このペースを維持できるか注目したい。次回、乃木の前に新たなる別班が姿を見せる。予告では、その姿に乃木(堺)が驚いていたが、はたして、誰が登場するのだろう。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。