■ストーカーが唯一の味方という倒錯
X上では《防犯カメラの映像消すくらいの技術持ってるし…爽太って、ものすごくできる男なのね》《畑野は麻里子パパへの恨みを持ってる。継母サユリも怪しい。麻里子より実子優位にしたいのが動機?まだ裏ありそう。友也は全く違う意味で怪しい》など、爽太の高い諜報能力への驚きと、周辺人物への疑惑の声が多い。
また、麻里子(岡崎)が急速に爽太(松村)に惹かれている。今後は、継母・サユリ(水野)による追い落としや、畑野(田中)の麻里子の父・銀次郎(石黒)への復讐と、麻里子のピンチの状況が予想される。それでは誰が味方になるのか? そうなるだろうとは思っていたが、やはり「爽太=ストーカーヒーロー」の爆誕となるのだろう。
悪いと思っていたヤツが実は良いヤツで、物語中盤から主人公の味方になってくれる、というパターンのドラマはよくある。しかし、ヒロインに対して犯罪意識のまったくないピュアストーカーが頼れる味方になり、しかも、恋人になるというパターンはさすがにない。ある意味で画期的なラブサスペンスだ。
子どものときから25年間、明らかに異様な行動を積み重ねてきた爽太。普通はキモがられておしまいだが、松村がはしばしで爽太のピュアさを絶妙に表現することもあり、なぜか許せてしまう……どころか健気で可愛く見えてしまうという倒錯。こんなキャラ造形は、松村以外では実現が難しかっただろう。
平均世帯視聴率は4.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、前回から0.4ポイント下げてしまったが、男子バレー中継の裏だったことを考えると健闘と言える。配信サービス・TVerのお気に入り登録数も85.7万(8月6日午後1時現在)と順調に延ばしている。クセは強いが、本作は今期で一番ハマるドラマかもしれない。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。