魂の伝道師、ラモス瑠偉のコラム。

 成長著しいサッカー日本代表ですが、「次のステップに進むために必要なものとは」というテーマについて綴らせてもらっています。第2回目の今回は、“ピッチ上の監督”について書かせてください。

 現在、日本代表の多くは欧州でプレーしています。それは前回大会でも同じですし、前々回大会でも半分以上が海外組でした。さらに今大会のメンバーは、欧州でも強豪クラブやトップリーグに所属する選手が増えていて、選手層の厚さは日本代表史上においても屈指だと思います。

 しかし、唯一、物足りなかったのがピッチの中の監督がいなかったことです。かつての日本代表のメンバーで言えば、中田英寿さんや長谷部誠さんのような存在で、ピッチ上の状況を瞬時に読み取り、それを言葉や行動で周囲に伝えて、試合全体をコントロールできる選手のことです。そのような選手がいれば、北中米大会はベスト32よりも上に進むことができたと思っています。

 例えば、勝っているときによりゲームを支配するためにはどうすればいいか。追いつこうとする相手の勢いをいなすためにも、コントロールできる時間が必要になります。

 また、ゲーム展開によってはスローダウンする時間も必要だし、逆にアップテンポにする時間も必要になってきます。ピッチ上で感じたことを、そのままチーム全体で表現できるチームは本当の意味で強さを持っていると言えます。