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2位 「夏キャンプ、暑くて寝られない」テントにクーラーが“最大4倍予約”…酷暑で変わるキャンプの常識

 「夏キャンプは好きなんですけど、ここ何年かは夜が本当にキツいですね」

 そう話すのは、妻と小学生の子ども2人を連れ、年に5〜6回キャンプへ出かける関東在住の30代男性だ。

 「昼間は川遊びをしたり、日陰で過ごしたりできるんです。でも問題は寝るとき。去年は夜になってもテントの中が蒸し暑くて、子どもが何度も起きちゃって。最後は車に避難してエアコンで涼みました。最近は夏だけ標高の高いキャンプ場を選ぶようになりましたね」(前同)

 夏キャンプの「寝られない問題」は、今やキャンパーにとって無視できない悩みの一つだ。

 SNS上でも、《夏キャンプは暑くて眠れない》《テント内に熱がこもり、夜も寝苦しい》といった実体験が数多く報告されている。

 そんななか、かなりストレートな方法で暑さ問題に挑んでいるキャンプ場がある。全国でキャンプ場を運営する「RECAMP」が提供している、“スポットクーラー付き”のキャンププランだ。

 仕組みは簡単で、サイトに置かれたスポットクーラーから断熱ダクトをテント内へ引き込み、夜間に冷風を送り込むというもの。つまり、テント内を“冷房”するわけだ。

 RECAMPは2025年に5施設で先行導入したところ、施設によっては通常サイトの最大4倍の予約が入ったという。利用者からも「夜間は寒いくらいでぐっすり眠れた」「ダクトを入れるだけで簡単だった」といった声が寄せられた。その反響を受け、2026年は8拠点・80プランまで拡大。通常サイトに1500円を追加することで利用できる。

 「キャンプに来てまでクーラーか、という気持ちはちょっとあります(笑)。でも1500円なら、子ども連れでは普通に(クーラーのオプションを)つけると思います。昼は自然の暑さを楽しんでも、夜くらいちゃんと寝たいですから」(50代男性)

 では、スポットクーラーを使うキャンプは、もはや“キャンプらしくない”のだろうか。

 実はテントにクーラーという発想は、RECAMPだけのものではない。

 愛知県のキャンプ場「リバーベース塩瀬」でも、今年7月からテント用スポットクーラーのレンタルを開始した。事前テストでは、34度だったテント内が約20分で24度まで低下。1泊2750円で貸し出している。

 こうした設備が登場する背景には、夏キャンプならではの難しさがある。テントは住宅のような断熱性を持たず、日中に熱せられれば内部の温度も上昇する。扇風機やサーキュレーターは風を生み出せても、気温そのものを下げることはできない。暑さが厳しい夜には、「風を送る」だけでは追いつかない場面も出てくる。とりわけ気を遣うのが、子どもを連れたファミリーキャンプだ。

 「昔なら扇風機と冷感マットで乗り切る感覚でした。でも最近は、子どもがいると“暑くてもキャンプなんだから我慢”とは思えません。夜だけでもクーラーが使えるなら、私は迷わず使います」(40代女性)

 これまで夏キャンプの暑さを避けようとすれば、標高の高いキャンプ場を選ぶ、木陰の多いサイトを探すといった“場所選び”が定石だった。そこに今、「設備で冷やす」という新たな選択肢が加わり始めている。

 考えてみれば、キャンプと家電の組み合わせ自体は、すでに珍しいものではない。電源サイトでは扇風機や電気毛布を使い、ポータブル電源があれば炊飯器や電気ケトルまで持ち込める。キャンプ道具の進化は、「不便を楽しむ」一辺倒だったアウトドアを少しずつ変えてきた。そこへ加わったのが、いよいよ“冷房”というわけだ。

 自然の中で過ごす楽しさはそのままに、危険な暑さまで我慢する必要はない。スポットクーラーの登場は、酷暑が続く日本で「夏でもキャンプを楽しむための装備」そのものが変わり始めたことの表れなのかもしれない。