■ド定番の不倫ドラマが支持される理由

 不倫ドラマとしては“定番すぎる”展開と思えるが、『あなして』が支持される理由があるという。

「同作は2014年に同枠で放送していた、不倫をリアルに描いて大きな話題となったドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(同局)のスタッフが9年ぶりに再集結し制作されました。

『昼顔』では、それまで清純派女優のイメージがあった上戸彩さん(37)が、不倫に溺れて身を破綻させていく妻役を演じていました。

 この清純派女優と不倫ドラマとの親和性を知っているからなのか、今回は、奈緒さんという天然のふわふわとした可愛らしい見た目の女優さんが、大胆なシーンを披露しています。こういった要素も視聴者としても新鮮で、支持されているのかも知れません」(前同)

 さらに、ストーリーにも秘密が。

「今回のテーマが“レス”が原因で不倫をするという、現代に適したテーマということもあり、よりストーリーや登場人物たちが抱える悩みがリアルで親近感のある作品となっています。

 第3話でも、新名さんの妻の楓の回想シーンでは、夫との行為を拒んでしまう理由が、子供ができることでキャリアの邪魔をされたくないから、というシビアなものでした。

 働く女性なら一度は考えたことのある問題が根底にあるため、レスになってしまうということで、楓と誠のどっちが悪いとも言い切れない…そんなストーリーの深さがあります」(前同)

 そして、このドラマが支持される最大の理由があるという。

「夫婦それぞれがお互いを思っているがゆえに、すれ違っていくことも不倫ドラマとしては珍しい関係ですよね。たとえば、バイト先の三島と不貞行為をしてしまった陽一も、1番に妻のみちが大切だからこそ、行為後にLINEで“なかったことにしてほしい”と出来心の不倫を後悔するシーンも。

 そもそも、レスさえなければ不倫をしなかったキャラクターなんです。“みんな誰も傷つけたくない不倫”という内容も新鮮で、評価されているのだと思いますね」(前同)

 胸が痛む共感度の高い不倫ドラマ、という新しいジャンルを確立しつつある『あなして』。はたして今後、どんなストーリーが展開していくのか? 注目が集まるーー。