■『あなして』で描かれる男女の心理描写の違い
そんな『あなして』だが、視聴者からはそのストーリーと共にある部分が共感を得ていた。
「今作では、レスによって不倫に走ってしまう2組の夫婦の様子を描いています。“レスさえなければ円満だった夫婦”のため、そのすれ違うまでの複雑な心理描写も作品の見どころの1つ。
この男女の心理描写が、今回の第3話では特に光っていました」(前同)
陽一は妻では興奮できなくなっていたため、単なる性欲に負けて不倫に走ってしまった。しかし一方で、妻のみちはレスによる夫からの愛情を感じなくなってしまっていたが、新名とキスを交わしたことで、心身共に気持ちが動いていた。
「陽一は不貞行為後、浮気相手に“なかったことにしてほしい”と自己中心的ではありますが、やはり心の中にいるのは妻であることを確認していました。
ですが、みちはこれまで感じていた虚しさを浮気を通して満たしていき、むしろ女としてイキイキし始めおり、むしろ浮気相手への恋愛感情をどんどん増幅していった。
この男女の浮気の違いが自然に描かれていたことが、この作品が単なる不倫ドラマではない深みをもたらしているポイントではないでしょうか」(前同)
視聴者からも
《このドラマすごいな。男女の対比をエグいほど描いてるやん》
《妻以外の女とやったやましさから妻に優しくする夫VS夫以外の男とキスしてやましいから夫に優しくしてほしくない妻VSこれまで雑に扱ってきた夫にやっと歩み寄る妻VS余所の妻に急旋回して自分の妻どうでもよくなりつつある夫とかドロドロしてきた最高》
《親愛とか性愛とか優しさとか価値観とか。満たされる喜びや幸福にメスシリンダーみたいな目盛りがあるわけでもないから愛情はあっても片思いみたいに行き違って裏切りのリミット超えていっちゃうんだな。従来の「相手に対して愛情がさめた」みたいな定型じゃない描き方が新鮮》
《良ドラマだ。トレンディっぽさのある演出も、一周回って新鮮に見える。誰も相手を傷つけようとはしていないのに、どんどん泥沼にはまっていく。みちと新名が互いを戦友だと語った瞬間は救いに見えたけれど、その救いもたぶん長くは続かなくて…》
と、自然な男女の浮気の違いに共感するコメントが寄せられていた。
ドロ沼化が必至となる今後の展開にも、大きな注目が集まるーー。