魂の伝道師、ラモス瑠偉のコラム。
スペイン、ポルトガル、モロッコの3か国がメインで共同開催する2030年のワールドカップ。今、この連載ではその次回大会で成功するために必要なものを綴っています。今回は、「北中米大会で見たかったもの」についてお付き合いいただければと思います。
史上最強と呼ぶにふさわしい成長ぶりで本大会を迎えた日本代表ですが、残念だったのが怪我人の続出でした。三笘薫選手や南野拓実選手がメンバーから外れざるを得ない中で、キャプテン・遠藤航選手までもが初戦直前に離脱。ボランチとしてチームをけん引してきた選手なしで戦わなければいけませんでした。
突然のキャプテンの離脱に他の選手も残念だったろうし、不安もあったと思います。でも、やらなきゃいけないし、それぞれがたくましく成長したからこそ、“遠藤選手の分まで全力で”という気迫が見られましたよね。
遠藤選手の代わりはもちろんいませんが、その穴を見事に埋めたのが佐野海舟選手でした。守備面での貢献は、説明の必要がないほどに素晴らしいものでした。さらに、攻撃面でも魅力を発揮。第2戦チュニジア戦では終盤のあの時間に前線にスプリントして綺麗なクロスを上げて上田綺世選手の得点をアシストしました。決勝トーナメント1回戦ブラジル戦では、抜群の読みからボールをカットすると、自ら運んで思い切りのいいシュートを放って、ゴールネットを揺らしました。彼個人の魅力を、大会を通じて見せたと言えます。