日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!

3ナンバーサイズになったボディを再び引き締まり感の伴う5ナンバー車に戻して上質な走りも味わえる

■居住性を考える必要はないと割り切った商品開発

 シルビアは日産のミドルサイズクーペ。1988年に発売された5代目は、洗練された外観と素直な運転感覚で人気車になった。1989年には1か月平均で約6700台が登録され、現在のノート+ノートオーラを上まわった。しかし1993年に登場した6代目は、全幅が1700mmを超えて3ナンバー車になった。外観の引き締まり感も薄れ、1994年の登録台数は、発売の翌年なのに1か月平均2500台に留まった。

 そこで1999年に発売された7代目は、ボディを再び5ナンバーサイズに戻した。全長も55mmではあるが短く抑えた。6代目は後席を広くすることも考えたが、7代目では居住性を尊重する必要はないと割り切った。エンジンは従来型と同じ直列4気筒2Lと2Lターボで、後者の最高出力は250馬力、最大トルクは28kg-mに達する。後輪駆動でターボには6速MTが採用されている。プラットフォームや基本的なメカニズムは6代目と同じだが、ボディがコンパクト化されて足まわりは熟成したから、走行安定性が向上した。ドライバーの操作に対して車両が正確に反応するため、一体感を伴う上質な運転感覚を味わえた。

 右側のピラー(ステアリングホイールの右上)には、ターボのブースト計、あるいはノーマルエンジンの油圧計が装着されていた。

インパネ

 シートの両側には、サイドサポートが大きめに張り出し、峠道などを走る時でも体をしっかりと支える。腰の近辺も硬めに仕上げていた。

シート

 ターボエンジンは実用回転域の駆動力が高く、動力性能は当時の3Lエンジンに相当する。6速MTの採用で、エンジンパワーを有効活用できた。

エンジン

 3ナンバーサイズになったボディを再び引き締まり感の伴う5ナンバー車に戻して上質な走りも味わえる。 全長は4445mm、全幅は1695mmで、最小回転半径は4.8〜4.9mだ。混雑した街中や狭く曲がりくねった峠道でも運転しやすい。

外観

 今では製造から25年以上を経過した車両もあり、右ハンドル車だが、北米へ骨董品として輸出されている。この影響で中古車の中心価格帯は400〜600万円に達する。新車価格はターボのスペックR(6速MT)でも256万円だったから、今の中古車はその1.6〜2.3倍だ。